門真市の伝統野菜である門真レンコン。戦前までは同市内で栽培が盛んだったものの、現在は生産量が激減した幻の野菜だ。門真レンコンを未来に繋ぐために尽力しているのが、門真市シルバー人材センターが運営する「楽農園倶楽部」。門真レンコンを中心に、旬の野菜を栽培・販売している。今回は同倶楽部で活動するシルバー会員を紹介したい。
同倶楽部の委員長を務める曽根鶴夫さんは、7年前に門真レンコンの栽培を始めた。地元農家の協力のもと農法を1から学び、今では農園内で欠かせない存在だ。レンコンは泥の中に隠れており、土は固い粘土質で掘り起こす作業は重労働。記者も収穫体験したが、冬空のもとで全身から汗が噴き出るほどだった。「しんどいけど、収穫した時の達成感。それだけでやれますね」と曽根さんは言う。
「固い土壌だからこそ、門真レンコンは強い粘り気と甘みが特徴だ」と曽根さんは話す。今では門真市のふるさと納税の返礼品にも選定されており、「年々発注が増えて、たくさんの人に知ってもらえて嬉しい」と語る。
門真レンコンのほか、農園では昨年の5月から季節野菜の栽培がスタート。畑の開墾から携わった立木洋子さんは同倶楽部の副委員長だ。「人の手で工夫して育てています」と話す立木さん。園内に生えるマコモの枯れ草を刈って、栽培中の作物に巻いて寒さから守るなど、丁寧な手入れを続けている。「農業は天候が大敵。それに会員の体調面にも気遣いが必要。だけど農園のおかげでできた仲間との毎日が楽しい。地道に続けていきたい」と作業を進めながら打ち明けた。