発達障害支援者のリストを福井大学が公開

 福井大学の濱谷沙世(はまたに・さよ)助教らの研究グループが発表した調査によると、発達障害当事者向けの支援団体は都市部に集中し、地方では不足していることが明らかになった。

 グループは支援団体の情報をまとめた特設ウェブサイト(https://nddsupport.carpproject.com)を公開。サイトでは支援団体の所在地や活動内容が一覧で確認できるようになっている。

 同グループは昨年11月から今年1月中旬まで、基準を設けた上で発達障害支援団体をインターネットで検索し、活動内容や所在地を調査。86件の団体を確認し、掲載許可が出た団体のみをそれぞれの活動内容まで詳細に紹介したウェブサイトを公表した。東京や大阪といった都市部が全体の団体数の約25%を占めたが、一部掲載団体がない地域もあった。

 支援の方法としては全国的に「対面」が最も多く、次いで「対面とオンラインの併用」、「オンラインのみ」という順になっている。活動内容については、「自由交流」が中心である一方、生活や仕事の質を向上させるための「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」を行う団体は全体の約6分の1にとどまっている。

 大阪では7団体が紹介されている。「グループそのまま」「さかいハッタツ友の会」などのほか、大阪市内では大阪市城東区社会福祉協議会の「発達障害について考える会『カラフル』」平野区の「UnBalanceサロン」がリストでは紹介されていた。

 大阪府内でも発達障害当事者やその家族に向けた支援活動は広がりを見せているが、情報へのアクセスや地域間の格差が課題と言えそうだ。こうした活動が広く周知されると共に、支援の充実と地域全体の支え合いの強化が期待されている。

 近くに支援団体がない場合は、地域に限定されない形で「困り感」から検索してみるのもいいかもしれない。当事者の会や家族の会、その他、例えば「ADHD」「ASD」「グレーゾーン子育て」などのキーワードで探すと、自分の困りごとに近しい状況にある人達で構成された当事者たちの情報交換ができるSNSのオープンチャットも見つけやすい。オープンチャットはニックネームや自分が特定されにくいアイコンで参加することができ、通報の機能でチャットの主催者に伝えると対応してくれて、自ら離脱することもできる。支援団体の情報を得られたり、仲間を見つけるのに活用してほしい。