桃山学院大の学生が「プロボノ」の可能性を提言

 社会で培った知識や技術を生かしてボランティアを行う「プロボノ」活動をコーディネートするNPO法人「サービスグラント」がこのほど、若年層向けに「ユースプロボノ」を本格的に始動する。そこで、実際にプロボノを体験した桃山学院大学ビジネスデザイン学部(大阪市阿倍野区)の学生から今後の展開について情報交換を行った。

 一般的に「プロボノ」は、社会貢献に関心のある30〜40代から、リタイア後に今まで培ったスキルを社会に還元したいベテランやシニア層までが多い傾向だ。今回、若年層の発想やスキルも活用したいと考えるサービスグラントが、学生にプロボノを体験してもらい、その後にフィードバックをしてもらう、という取り組みを行った。

 発表当日は、活動に参加した学生5人それぞれがプレゼンを行った。参加する学生の特性や、実施する中で感じたチーム内の課題、支援先団体とのやり取りに対する課題をまとめて発表した。

 学生からは、主体的に参画しやすくなる目標設定や振り返りの機会を作ること、また長期の活動をするうちに、プロボノをコーディネートする側、依頼する側、プロボノ本人にすれ違いがあることを発見、共通認識が作れる資料作成の必要性などが提言された。その後、担当教員やサービスグラントからの質疑応答が行われ、ブラッシュアップさせていった。

 サービスグラントの担当者は今回の取り組みを振り返り、「主体的に動く経験があまりなかった大学生が、プロボノを通じて、悩みながら成長することができた」「不安を解消するためのツールは準備されているが、学生に向けてはその資料を丁寧に説明する必要があることがわかった」と総括していた。

<取材協力>
・桃山学院大学ビジネスデザイン学部/大阪市阿倍野区昭和町3-1-57 聖テモテ館 4階~9階/電話06(4708)3561
・認定NPO法人サービスグラント 関西オフィス/大阪市中央区淡路町2-5-16 淡路町ビル8F/電話06(6484)5810