「障がい者アート広めたい」 お笑い芸人たいぞうが作品展

 自身が発達障害で3級障がい者に認定されているお笑い芸人、たいぞう(50)がこのほど、大阪・なんばの画廊LAUGH&PEACEで障がいのある画家たちとのコラボ展をスタートした。

作品を説明するたいぞう。細かい筆致で自身が思い描いた物語を一気に描き上げる画風

 たいぞうはNSC(吉本総合芸能学院)を卒業後、お笑いコンビをへて吉本新喜劇入り。現在はピン芸人として活動している。以前から天然ボケ的な笑いを売りにしていたが昨年検診を受けた際に発達障害があることが分かった。

 「芸人になった時から他の人と合わせるのが苦手。自分の好きな事はすぐ覚えずっと出来るのに、芝居のせりふがなかなか覚えられないなど欠点も多々あった。発達障害と言われ〝それは一つの個性〟ととらえて、自分の得意な事を生かして会社をはじめ回りの人々に喜んで貰えれば、と考えるようになった」と説明。大阪府障がい者芸術・文化大使にも選ばれており、同じように障がいを抱えながらアートに取り組む仲間の支援を続けている。

作品を説明するMasyashi777。手描きの線にでデジタルで色付けするのが特徴

 今回は障がい者芸術を支援する芸術家プロダクション「アベイユ」(河瀬有子代表)と組んで、会場費や運営費などをクラウドファンディングで調達し開催にこぎ着けた。今回はたいぞう以外にもさまざまな障がいを持つ画家8人が作品を出品。計100点近くを展示、一部非売品を除き販売し、会期終了後に手渡される。

物語性の高いイラストの飛鳥。親しみと共感を感じさせる作品

 河瀬代表は「昨年11月にたいぞうさんと出会い、作品展のアイデアが出されました。既にそれぞれの生活拠点では展覧会にたびたび入賞するなど知られた作家の方も多いが、大阪ミナミで一堂に会して作品を多くの方に見て頂くことに意義がある。将来はこうしたチームで全国各地で巡回展を開催できれば」と夢を広げた。

自身を含めた展示会参加9人の作家が描いたたいぞうのイラストを前に在廊の作家がせいぞろい。右端がたいぞう、左端が河瀬代表。

8月25日まで(20、21日休館)、入場無料。

(畑山博史)