Spyce Media LLC 代表 岡野 健将
先週末、「高槻ジャズストリート」に行ってきました。無料のジャズライブが楽しめるイベントです。今年で26回を数え、すっかり根付いているようです。日本ではこういう市民や企業に支えられる、参加者が無料で楽しめるイベント事が少ないように感じます。
ニューヨークでは毎年5月末から9月頃まで毎週の様にどこかで無料で楽しめるイベントが開催されていました。そしてその多くはニューヨーク市内に本社を置く企業がスポンサーになって「市民に楽しんでもらえるように」という仕組みで成り立っていました。夏の間毎日開催されていたシェークスピアの演劇はニューヨークの夏の風物詩になっていましたし、リンカーンセンターで開催される様々な音楽イベントには、世界トップクラスのパフォーマーがやってきて最高のショーをみせてくれますが、その中には無料で楽しめるものも多くありました。ビーチで行われる音楽フェスや街中の一角で行われる演奏など例を挙げればキリがありません。
振り返って日本では企業がスポンサーになって全費用を負担して誰もが無料で楽しめるイベントはどのくらいあるのでしょうか?数百人程度ならあるのかもしれませんが、数千人、数万人規模の来場者が集まるイベントとなると皆無なのでは?
先週末はいたる所でイベントが開催されていましたが、食博など参加は無料でも、フードを購入する事で成り立つものが多かったのではないでしょうか。高槻ジャズストリートのように無料で音楽観賞ができるというのは珍しいと思いますし、貴重な存在だと思います。ただ運営はオリジナルTシャツなどの販売と企業の協賛や広告、スタッフはボランティア、と現実はなかなか厳しいものがありそうです。ここまでの歴史と規模を誇るイベントであれば、大手企業が開催費用くらいサポートをしても良さそうなものですが、日本の企業にはそういう視点は…。
アメリカの企業には「Corporate Responsibility」という社会的責任を負う意識があり「その地域でビジネスをさせて貰っているのだから、その地域に貢献するのは当たり前」という考えがあります。そのため、その地域の市民が喜ぶイベントに協賛として数千万円から多ければ数億円以上の費用を提供しています。それと同じ考えで地域の病院や学校、公的施設の建設資金を提供したり、企業が社員に地域でのボランティア活動に参加する様に促したり、とさまざまな活動を行ってます。
アメリカにある日系企業も同じ様なことをしているのですが、日本ではどうもそういう動きはあまり聞きません。
大阪に本社がある企業にお勤めの方や、インバウンドなどで儲かっている企業の方がいたら、今年の夏に向けて社会貢献事業として、どこかのイベントのスポンサーになってみてはいかがですか?これからの時代、そう言う事も差別化の一つとして重要になっていくと思いますよ。