今年81歳を迎える前上方落語協会会長の六代桂文枝が誕生日前日の7月15日夜、華麗なる独演会「傘寿を越えて」(大阪・なんばグランド花月)を催すことになり概要を説明。男性の平均年齢を迎えてなお、元気で活動を続ける秘けつを披露した。
3年前の1月に長年連れ添った妻と女手一つで育ててくれた実母を2日連続で亡くし、既に1男1女は独立しており独居に。
「現在336本書いた創作落語を500本まで作り続けるのが新たな目標。ネタ作りは余り苦労しないのですが、フッとど忘れする事が多くなり困ります」と説明。健康維持に上げたのは「ウオーキングと朝食」。
上方笑芸の先輩で今も活動する大村崑(92)に触発され、目標を1日5千歩に置き「朝食の後に散歩するようにしています」という。
朝食は自宅で、小分けしたご飯に『まごわやさしい』という商品名のふりかけを加え食べる。体に必要なバランス食7品の頭文字で「まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いも」の成分が入っているそう。また梅田の卵料理専門店で新鮮な卵かけご飯を食べるのも健康によいと説明。仕事柄、昼は出先で、夜は弟子らと食事する事が多く「朝食は特に大切にしている」と話す。
7月の独演会は、創作落語3作で「妻の旅行」、新作の「約束」、そして葬儀の場面があることから妻と母が死去後はずっと封印していた「涙をこらえてカラオケを」を復活させる。
「〝妻の~〟は受けがよく客席を温めるのに最適。〝約束〟はまだ完成していません。〝涙を~〟はそろそろ解いても2人は許してくれるでしょう」と淡々。
ゲストは林家つる子と桂二葉と、東西の37歳人気女性噺家が競演。
文枝は「私の創作落語は身の回りの事を題材にすることが多く、聴く方に〝そうそう、あるある〟と思って頂ける事が第一。人を傷つけたり、下ネタなどを加えないでやってきた。今回も女性2人に手伝って頂いてハートフルな会にしたい」と、新たなスタートへ意欲を示した。
(畑山博史)