総勢30人の座員が出演 満員御礼の「吉本新喜劇まつり」

帰路の観客を見送る、左から千葉公平、山田花子、辻本茂雄、吉田裕、小寺真理

100人を超える吉本新喜劇座員からファンによる人気投票で選ばれた上位25人とじゃんけんで勝ち抜いた5人の計30人による 「吉本新喜劇まつり2023~選ばれし30名の座員たち~」が10月8日、大阪市のなんばグランド花月で開かれ、約900席は満員。有料配信視聴も入場者を上回る盛況ぶりで新喜劇の底力を示した。

昨年の初回総選挙で1位になり座長昇格したアキ(54)が今年も連続して1位で、初の演出担当に。第2位に入った千葉公平(47)が酒井藍座長(37)とカップルの主役級二枚目役。アキがアキ子、すっちー座長(51)がすち子を演じ〝おばちゃんコンビ〟を結成。そこに吉田裕座長(44)も絡んで、持ちネタ「乳首ドリル」を久しぶりにすっちーと演じ場内は大喜び。本公演時の約2倍に相当する90分間を、出演者が持ちネタを披露したりアドリブで掛け合ったりし、大いに盛り上がった。

終了後は、出演の30人が帰路に就く観客を通路両側に並んで見送り。総選挙で26位以下の座員は、もぎりや場内案内、グッズ販売や売店売り子などになり、手分けして公演をサポート。ファンはあちこちでスマホを手に写真撮影でき満足げ。

終演後、観客にお礼の挨拶をする間寛平GM(前列中央)

間寛平GM(74)は「それぞれ仕事があり、ようやく通し稽古できたのは昨夜1回だけ。結構長セリフもあったけど、千葉ちゃん、よう覚えたな。5人目の座長いけるで」と最大級の褒め言葉。千葉はこの日、同劇場の昼の本公演3回をこなし、その合間に非常階段に出て夜用せりふをたたき込んだといい「大変だったけど、4座長が一堂に会して、そこに自分が一緒にいられてうっとり。時々せりふをかみましたが、常に誰かがとっさに助けてくれる。その連帯感が新喜劇の良さ」と感激の面持ち。

演出のアキは「すっちーのすち子とキャラクター共演できたし、新鮮で楽しかった。30人全員を生かし切ったのが一番の収穫。来年以降も進化させまたやりたい」と自身に合格点。座長歴が最も長いすっちーは「普段はこれだけのメンバーが集まることはないからね。稽古時と比べ、結構グチャグチャやったけど、ホンマにファンに支えてもろて楽しかった」と総括。

お祭りとあって、開演前の楽屋には寛平GMから全員にカレーが差し入れられ、終演後は再び全員に記念の大入り袋配布といたれりつくせり。夜遅くまで座員出待ちのファンの列が周辺に消えず、付近は活気に包まれた。

 (畑山博史)

開場時に観客を誘導する、手前右から大塚澪、岡田直子。奥の売店は、左から桜井雅斗、岩﨑タツキ