近隣火災の延焼により店舗を失った池田市の美容室「Rucia(ルシア)」が、営業再開に向けたクラウドファンディングを10月10日に始めた。病気や障害のある子どもと家族のQOLの向上を目的とし、アピアランスケア啓発にも取り組む一般社団法人チャーミングケア(同市)は、オリジナル商品をリターン品として提供し、再建を支援する。


延焼した近隣一帯に火災の痕跡が残り、周囲には現在も立ち入りを制限する規制線が張られている。

Ruciaは、ヘアドネーションに対応してきた美容室でもある。ヘアドネーションは、切った髪を寄付し、病気などで髪を失った子どもらの医療用ウィッグに活用する取り組みだ。

厚生労働省によると、全国の美容所は2024年3月末時点で27万4,070施設ある。
一方、ホットペッパービューティーアカデミーが15~59歳の男女4,950人を対象に実施した「サステナビリティに関する意識調査2023」では、女性が美容サロンに期待する取り組みの第1位がヘアドネーションだった。15~19歳女性では40.2%が利用意向を示している。
ヘアドネーション団体「JHD&C」の公式サイトによると、10月10日時点の賛同サロンは1,872店。団体に登録せず対応する美容室もあるため、実施店全体を示す数字ではないが、全国の美容所数との単純比較では約0.7%に当たる。
ドネーションカットでは、髪を複数の束に分け、寄付に必要な長さを確保しながら、カット後の髪形も整える必要がある。通常のカットより工程が増えるため、対応を明示して継続的に受け入れる美容室は限られている。
同じ池田市を拠点に、病気や障害のある子どものアピアランスケアの啓発に取り組むチャーミングケアは、ヘアドネーションに対応してきたRuciaの活動に自らの理念と重なる部分があるとして、再建支援への協力を決めた。

同法人からリターン品として提供されるのはオリジナルスパバッグで、セット品として池田市のふるさと納税返礼品にも採用されているという。
Rucia代表の乾 良太(いぬい りょうた)さんは
「店舗と美容機器のすべてを失いました。しかし、火災の翌日から、心配して駆けつけてくださったお客様、差し入れを届けてくださった方、一緒に泣いてくださったお客様がいました。最悪の状況の中で改めて感じたのは、地域の皆様の温かさです。もう一度、池田のまちで美容を通じて皆様のお役に立てる店をつくりたいと強く思っています。再建に向けて、どうか応援していただければ幸いです」と語っている。

クラウドファンディングでは、再開後に利用できる施術チケットなども用意している。既存客とのつながりを保つとともに、地域内外から広く支援を募る。
プロジェクトページは、https://camp-fire.jp/projects/987770
