古川淀川区長インタビュー
もと淀川区役所跡地に誕生した複合施設「JUSO CROSS(十三クロス)」が開業から2カ月を迎えた。同施設には、大阪市立淀川図書館に加え、市民から寄贈された本で本棚をつくる私設図書館「まちライブラリー」、履正社十三図書館が同じフロアに集積。三つの図書館機能が隣接する全国でも珍しい空間が誕生した。古川吉隆淀川区長に、開発によって新たな魅力が増した十三の今と将来像について聞いた。

―十三クロスが開業して2カ月が経った。手応えは
開業前は利用状況を注視していましたが、想像以上に多くの人が訪れており、すでに地域に定着し始めていると感じています。
特に印象的なのは空間のつくり方です。大階段を上がった先に、まちライブラリーのまるでカフェのような開放的な空間が目に入り、自然と立ち寄りたくなる雰囲気があります。
リニューアルした大阪市立淀川図書館も、以前に比べて格段に明るくなりました。本が手に取りやすく配置され、親しみやすい空間になっています。本がより身近な存在になったのではないでしょうか。
図書館によると、リニューアル後は土日の来館者数が1日平均約2000人と、移転前の約5倍に増えたそうです。新規利用登録者も大幅に増えており、多くの方が新しい図書館を利用してくださっています。

―公立と私設図書館が同じフロアにあるのは珍しい
そうですね。公立図書館と私設図書館、さらに履正社十三図書館という三つの図書館機能が隣接している例は非常に珍しいと思います。

まちライブラリーは市民に広く開かれた場所で、イベントや交流も活発に行われています。一方、公立図書館には公立図書館としての役割やルールがあります。
それぞれが役割を分担しながら共存できるのが面白いところです。例えば淀川図書館で借りた本を、まちライブラリーの開放的な空間で読むこともできます。利用者が自分に合った使い方を選べることで、相乗効果が生まれていると感じています。

―子育て世帯にとっても魅力的な施設になった
十三はこれまで繁華街や飲食街のイメージが強く、必ずしも子育てのまちという印象ではありませんでした。
今回の開発によって、図書館やスーパー、保育施設などが整備され、まちの雰囲気が大きく変わりました。子育て世帯にとっても暮らしやすい環境が整ってきたと思います。

保育・学童施設も既に開園しており、実際にここで暮らしながら子育てをするという選択肢が、より現実的になったのではないでしょうか。
十三クロスに併設するタワーマンション「ジオタワー大阪十三」についても、投資目的ではなく実際に住むために購入された方が多いと聞いています。地域に根差して暮らす人が増えることは、まちにとって大変意義のあることだと思います。
―淀川河川敷の開発については
淀川河川敷十三エリア魅力向上事業として、飲食店の屋台が集まる「ミナモ十三」の整備工事が進行中で、今年8月の開業を予定しています。まずは22店舗からスタートする予定で、カフェや海鮮居酒屋、串かつ店のほか、タコスやブリトーなど多彩な食文化を楽しめる空間になると聞いています。

淀川河川敷は、梅田の高層ビル群を一望できる非常に魅力的なロケーションです。最近はバーベキュー施設の利用も増えており、平日でも利用者を見かけるようになりました。
河川敷の開放感や水辺空間の魅力に目を向けてもらえるようになれば、まちの新しい価値の発見につながると思います。

―今後の十三・淀川区の発展をどう見ている
大阪全体で地価上昇が続いていますが、淀川区も高い伸び率を示しています。まちの魅力向上が地価や資産価値の向上につながり、さらなる投資を呼び込む好循環を生み出していきたいですね。
十三は梅田に近く、阪急各線で京都・宝塚・神戸のいずれにもアクセスしやすい立地です。さらに阪急の新線構想が実現すれば、新大阪や関西国際空港とも直結し、利便性は一段と高まる可能性があります。今回の再開発は、その将来性を示す大きな一歩になったと感じています。
―淀川区への居住を検討している人へメッセージを
淀川区は大阪市24区で最も人口が多い区となりました。それだけ多くの方に選ばれているまちだということだと思います。
大阪市は待機児童ゼロや保育料無償化など、子育て支援の充実が進んでいます。淀川区もその恩恵を受けながら、子育て世帯が安心して暮らせる環境づくりに力を入れています。
また、淀川河川敷をはじめとする豊かな自然が身近にあり、空が広く感じられるのも魅力です。都心に近い利便性と開放的な暮らしを両立できるまちとして、これからも多くの方に選ばれる地域でありたいと思っています。
