高知県の豊かな食文化と地酒の魅力を紹介する催し「第4回 どっぷり高知旅 山・川・海のごちそうと、土佐の辛口酒」が6月17日、大阪市北区の阪神梅田本店1階食祭テラスで始まった。22日までの6日間、高知県内各地から集まった生産者や事業者が自慢の味を届ける。

開店直後の会場では、毎年恒例の振る舞い酒が行われ、地元の蔵元「高木酒造」(香南市)の銘酒「豊能梅(とよのうめ)」が来場者に提供された。高知県大阪事務所長の辻和生さんはオープニングセレモニーで「高知には山、川、海の豊かな自然があり、おいしい食べ物と酒、人の温かさがそろっている。この機会に高知の魅力を存分に味わってほしい」とあいさつした。

辻さんは、大手旅行雑誌の調査で高知県が「その土地ならではのおいしい食べ物がある県」部門で何度も1位に選ばれてきたことを紹介。今年10月から12月には、地域の伝統芸能などを発信する国の文化行事〝国民文化祭〟が高知で「よさこい高知文化祭2026」として開かれることも紹介した。高知へは大阪から飛行機で45分、JRで3時間半、車で4時間ほどで行けるとPRした。
会場には高知が誇る〝山・川・海のごちそう〟が勢ぞろいした。山の恵みとして注目を集めるのが、高知独特の「酢みかん」文化だ。ユズや〝ぶしゅかん〟など香り高いかんきつ類を料理に使う食文化が根付いており、ユズを利かせた酢飯に山菜や野菜を載せた郷土料理「田舎寿司」が販売されている。山のプレゼンターを務める百田美和さんは、和食文化国民会議の委員として活動する一方、「ひがしこうち香酸柑橘類研究会」のメンバーとして酢みかん文化の普及に取り組んでいる。
川の恵みでは、今回初めて天然のアユが登場した。高知県東部を流れる奈半利(なはり)川の天然アユで、2022年に全国のアユの味を競う「清流めぐり利き鮎会」でグランプリを受賞した実績を持つ。市場に出回る〝天然〟のアユは全体の約1%といわれる希少な存在で、会場では塩焼きやアユの炊き込みご飯として提供されている。
川のプレゼンターを務める橋本亜衣里さんは高知県出身の27歳。北川村文化観光公社に勤務しながら河川環境の保全活動に携わり、自らもアユの友釣りに打ち込む。かつてダム開発などの影響で減少した奈半利川のアユは、地域住民らによる環境保全活動によって復活を遂げたといい、橋本さんは「高知の川の豊かさを知ってほしい」と話す。



海のごちそうの主役は、やはりカツオだ。高知の中土佐町久礼は県内有数のカツオ漁の町として知られる。水揚げした生のカツオをすぐに藁焼きし、その後冷凍する「ワンフローズン」製法が特徴で、鮮度と香ばしさを両立させている。会場では「土佐久礼かつおの藁焼きタタキ丼」も販売され、多くの来場者が列を作った。
海のプレゼンターを務める久竹庸代さんは、中土佐町で「シン・鰹乃國プロジェクト」の事務局長として地域振興に取り組む。田中鮮魚店4代目社長の田中隆博さんも会場に立ち、目利きの技術やカツオへのこだわりを来場者に直接伝えている。


食を引き立てる酒も充実している。今回は県内全19酒蔵の日本酒が集結。土佐酒ならではのキレのある辛口を中心に飲み比べが楽しめるほか、ぶしゅかん果汁を使ったサワーやノンアルコールドリンクも用意されている。
20日には、高知独特の宴会文化「おきゃく」を体験できる特別企画も開催予定だ。「おきゃく」とは宴会や食事会を意味する土佐の言葉で、見知らぬ人同士でも酒を酌み交わし交流を深める文化として知られる。

このほか、昨年7月にKITTE大阪に開業した高知県アンテナショップ「SUPER LOCAL SHOP とさとさ」の人気商品や、防災先進地として知られる黒潮町の缶詰商品、高知県産素材を使ったジェラート、四万十産和栗を使ったソフトクリームなども販売されている。

