【外から見た日本】
正社員になることを、安定や勝ち組のように捉えている日本人が多いと感じるが、実際にはさまざまな働き方があり、その一つが正社員というだけだ。
また、正社員で働く日本人の多くは、自分がやっている仕事を好きなわけでも、興味を持っているわけでもないことに驚く。
なぜ、そんな働き方を好んで選ぶのか。もっと自由に好きな道を選び、仕事にすればいいのにと思ってしまう。
昨今、よく取りざたされる産休や育休なども、正社員にしか適用されない不公平なシステムだが、それらを活用するのに苦労している姿も滑稽に映る。自営業やフリーランスなど非正規で働く人にそんな待遇はないが、その分、時間も収入も自由にコントロールすることができる。休んでも誰かに迷惑をかけることもない。しかし、収入がなくなるので全ては自己責任だ。
海外で〝バリキャリ〟といえる働き方をしている女性の場合、妊娠や出産でフルタイムの仕事が続けられなくなると、退職してフリーランスになることが多い。当然、フリーランスでやっていくだけのスキルや経験、ネットワークは必要になるが、そういうものを身につけることが本来のキャリア形成だ。ただ仕事を続けているだけではキャリアは積めていない。
先日、シンガポールの友人2人と食事をした。どちらもフリーランスで働いている。一人は年に3、4本のプロジェクトをこなす以外はのんびりと子どもとの時間を楽しんで過ごしている。もう一人はヨットを購入し、空き時間にクルーズビジネスを始めたいと準備を進めている。日本人もこういう働き方をしてみたいと思わないだろうか。
転職が当たり前になる時代。何も考えず仕事をしていては、いつクビになるかわからない。日本も海外のようにフリーランスを選択する人が増えていかないと、企業は自身の安定ばかりを望む生産性の低い正社員ばかり抱えるようになり、どんどん経済が回らなくなっていくだろう。
中小企業にとっては正社員を雇用すること自体、リスクとなり始めている。先見の明がある経営者は正社員を抱えず、業務委託で仕事を外注に出し、固定費の削減を進めている。私も長く会社経営をしているが、以前にも増して正社員を雇うリスクは避けたいという思いが強くなっている。
同じ会社にずっと勤め続けても給料は上がらない。より良い待遇で自分を買ってくれる企業にどんどん転職するか、独立して起業しないと収入は増えていかない。政府のいう「貯蓄から投資へ」という掛け声も、投資に回せる余剰資金を貯金できている人にとっての話。それさえ危うい人は投資で資産を増やせる状況にはない。
正社員にこだわって給料が上がらないことに不満をもらすのではなく、努力して自分自身の市場価値を上げていこう。
今後、どんな働き方を選ぶかは一層大きな意味を持つと思う。あなたは今のまま、正社員でいいのか。

