
大阪・ミナミの複合商業施設・心斎橋オーパが12日をもって閉館した。1994年のオープン以来、長きにわたり大阪のファッション界を牽引してきたが、建物オーナーとの賃貸借契約終了を理由に、31年の歴史に終止符を打った。
最終営業日となった同日は各店舗でファイナルセールが実施され、開店前から長蛇の列に。幅広い年代の人で埋め尽くされた館内は、閉館時刻の午後7時まで大盛況となった。閉館セレモニーに登壇した心斎橋オーパ・柴田賢一GMは「全盛期である2000年代初頭に通っていただいたお客様も今や40、50代。こんなに長い間愛され続けた商業施設というのも他にないと思う」と誇らしげに語った。

1994年のオープン以降、大阪のファッション拠点として多くの若者の青春を見守ってきた。10~20代の若者をターゲットとした戦略で隆盛を極めた2000年代初頭には、集合場所として「オーパ前」が定番化。大阪・ミナミのランドマークとして存在を確立した。
その後も幾度もの店舗リニューアルを重ねながら、めまぐるしく変わるトレンドの発信基地として機能。コロナ期に落ち込んだ経営状況も、昨今のY2Kファッションのリバイバルにより回復をみせ、2022年頃から再び注目度が上昇。かつてのギャルが子どもと一緒に買い物に来るなど、広範な世代に大きな影響力を保ち続けたまま、有終の美を迎えた。

閉館セレモニーで人気ブランド「マーク ジェイコブス」日本法人のリチャード・グスタフソン社長は「心斎橋店は閉店となるが、これからもオーパは生き続ける。ここで経験した懐かしい思い出を、是非たくさんの人と共有してほしい」と語った。

閉館後は2029年5月にかけて譲渡される予定で、現時点で譲渡先・運用計画は未公表となっている。心斎橋一帯はインバウンド需要の増大を背景に大規模な空間再編・再開発が行われており、2月には商業・オフィス・宿泊機能を集約した複合施設「(仮称)心斎橋プロジェクト」が竣工予定。新風の吹く大阪・ミナミの重要なワンピースとして、今後の動向に注目が集まる。


(長澤拓)
