
「遠い墓より、駅近で手を合わせるー」核家族化や少子化が進む中で、供養の在り方も変わりつつある。年に1度、県をまたいで墓参りに出向くより、生活圏の中で、思い立った時に故人をしのべる場所を選ぶ人が増えているという。そうした中、注目を集めているのが「永代供養付きカード式納骨堂」だ。
「永代供養でいいからね」。両親からそう言われたという大阪市内在住の三姉妹の家族は、自分たちの代で家系が途絶える可能性がある一方、供養をおろそかにするつもりはない。代が続かなくても安心して任せられ、それぞれの都合に合わせて参拝できる選択肢として、永代供養付きの納骨堂を探していた。
JR吹田駅から徒歩5分。約1300年の歴史を持つ常光円満寺の納骨堂「舎利殿(しゃりでん)」の2、4階にカード式納骨堂が設けられている。冷暖房完備でバリアフリー設計。天候や季節に左右されず、開館時間内であれば手ぶらで参拝できるのが特徴だ。

参拝方法はシンプルだ。契約者専用のICカードをカードリーダーにかざすと、遺骨を納めた厨子(ずし)が自動で運ばれ、ブース内の墓石型スペースに収まる。扉が開くと、重厚感のある墓前が現れ、焼香も可能。ブース内のモニターには戒名とともに写真や思い出の曲が流れ、周囲を気にせず故人と向き合える。カードは一時発行もでき、家族がそれぞれのタイミングで参拝できるという。

宗旨・宗派を問わず利用でき、家族や親族が代々納骨することも可能。代が途絶えた場合は、寺が永代合祀(ごうし)墓として責任を持って供養する。料金は永代供養込みで、通常仕様が78万円、特別仕様が98万円(いずれも非課税)。
「近くで、気軽に、無理なく」。駅近のカード式納骨堂は、現代の暮らしに寄り添う新たな供養の形として、選ばれ始めている。
■常光円満寺/吹田市元町28-13/電話06(6381)0182
