【外から見たニッポン】庶民レベルでできる不動産投資!

Spyce Media LLC 代表 岡野 健将

Spyce Media LLC 代表 岡野健将氏
【プロフィル】 State University of New York @Binghamton卒業。経営学専攻。ニューヨーク市でメディア業界に就職。その後現地にて起業。「世界まるみえ」や「情熱大陸」、「ブロードキャスター」、「全米オープンテニス中継」などの番組製作に携わる。帰国後、Discovery ChannelやCNA等のアジアの放送局と番組製作。経産省や大阪市等でセミナー講師を担当。文化庁や観光庁のクールジャパン系プロジェクトでもプロデューサーとして活動。

 最近、大阪でも不動産、特に大阪市内のマンションの価格が上昇傾向にあります。IRや大阪・関西万博など景気の良い話が飛び交う中での価格上昇。インフレの影響もあると思いますが、今回は新築だけでなく中古物件の価格も上昇していることがポイント。日本では不動産は購入したときが最も高くそこからどんどん減額されていくため、買った価格より高く売るというのはかなり限られた条件でしか成り立たなかったのですが、状況は変わってきています。

 今から20年以上前に、アメリカ人のロバート・キヨサキという人が著した「金持ち父さん、貧乏父さん」という書籍が日本でも紹介されました。この書籍では「中古不動産を購入し、リフォームして物件の価値を上げて売却して利益を出す」と言う事を繰り返して資産を築いていく、という様な手法を紹介していました。アメリカでは中古不動産が活発に売買されていましたし、古い物件をリフォームして付加価値をあげて転売するというやり方も広く知られた事でした。

 しかし、当時の日本では、中古物件の市場は限られていましたし、買った値段以上で売却するというのはかなり難しい事でした。特に「投資」という名目でローンを組んで借金をして物件を購入するというリスクを取る事に日本人は抵抗を感じがちです。しかし、これは今では当たり前の様に言われる「レバレッジを利かせる」というやり方で、少ない資本で大きくもうけるためにはかなり有効な手段なのです。アメリカでは借金をする事に抵抗を感じる人は日本ほどではなく、投資でリスクを取る事への抵抗はもっと少ないです。

 ここまで読んでいると日本で不動産投資をするのは得策には思えないでしょう。しかし現実はと言うと、昨今騒がれている空き家問題で多くの中古物件が市場にあふれ出ています。築年数が数十年以上のモノになると価格も相当安くなっています。どれでもいいとは言いませんが、実際の物件の価値より安く購入出来る物件もかなりありますし、不動産ローンを組んでも金利はあってない様な史上最低のレベルです。土台さえしっかりしていれば、リフォームして付加価値を付ければ十分転売で利益を出せる様な状況になってきています。それ以外にも以前と比べて中古物件への賃貸需要も高まっているので、リフォームして賃貸に出すと言う手もあります。例えば250万円で物件を購入し、100万円でリフォームして月額5万円で賃貸すれば利回りは約17%もあります。諸経費などを考慮しても10%は確実に上回ります。350万円の物件を500万円で転売も可能でしょう。

 空き屋になっている実家をリフォームして賃貸すれば初期投資も抑えられます。20年前はこんな事はほぼ不可能でしたが、今なら実際にこのくらいの利回りの不動産投資をしている人は沢山います。特にお金持ちでもなく、普通の人が不動産ローンを活用してレバレッジを利かせて少額の手持ち資金で高い利回りを達成出来るのです。

 「そんなこと信じられない」、「投資なんて怖い」と思う人もいるでしょう。それでも例に挙げた様な金額レベルで不動産投資をしてもうけている人がいるのは事実です。
 老後の経済的心配をしている人や副業を考えている人、時間と労働に縛られない不動産投資もオプションに入れて検討してみると違った世界が見えてくるかもしれませんよ。