ブラジルパビリオンの多目的ルームで9月30日、ラテンアメリカ・カリブ開発銀行(CAF)生物多様性・気候技術顧問局長のイグナシオ・ロレンソ氏を迎えて、アマゾンの自然保護や環境保全、⽔の持続可能な管理、グリーンファイナンス、そしてCOP30の議題に向けた取り組みなどが紹介された。

11月にブラジルで開催されるCOP30に焦点を当て、自然保護やグリーンファイナンスの取り組みについての現場や今後の懸念点などを紹介し、アマゾンや世界の環境保護に対して、私たち人間がしなければならないことなどが語られた。


アマゾンはその面積の68%がブラジル国内に存在するが、残りの32%は、ボリビア、コロンビア、エクアドル、仏領ギアナ、ペルー、スリナム、ベネズエラなど複数の国にまたがって存在しているので、常にアマゾンの保護には国際協力が必要になるのだ。

アマゾンは現在、違法伐採や経済優先の無謀な開拓で森林面積がどんどん減少している。


しかしそのアマゾンは地球最大の生物多様性を有し、地球上の陸上種の25%を占めている、とても貴重な場所だ。例えば、植物種は4万~8万種、魚類は2,500種以上、哺乳類は約430種、爬虫類と両生類は約420種、昆虫に至っては約250万種もの種類がアマゾン内に生息している。また、約400の先住民族もアマゾンの中で暮らしている。

このようにアマゾンは、私たち現代人だけのものではなく、地球全体にとってとても重要な存在で、その他の生物や植物にとってもかけがえのないもの。人間の勝手で好きに開発して、アマゾンを破壊したり、自然災害が発生しやすい環境に陥らせたりすることは絶対にしては行けないのだ。
そんな大事なアマゾンを守るための取り組みを金銭面で支援しているのがCAFでその活動をグリーンファイナンスと呼んでいる。

中南米の国が中心に資金を供給して運営されているが、今回来日したイグナシオ・ロレンソ氏は、日本の財務省やJICA、JETROなどとも会談を行っているようで、実際にこれまで日本からアマゾンを保護するために様々な形の資金提供もされていて、遠く離れていてもアマゾンの保護に私たちも貢献していた。

少し前に紹介したバイオプラスチックを使用したコンビニのプラスチックバッグ同様、知らないうちに環境保護に貢献していることを知るのは、何か良い気分にさせてくれる。
「アマゾンなんて遠いし他国の話」と片付けてしまわず、アマゾンで起こった環境変化は周り回って日本にいる私たちの生活にも影響することを理解し、私たち一人一人が、世界規模での環境保護に貢献するのは地球人としての義務だと考えられるようになっていけば、万博で環境問題を取り上げた意義も出てくるのではないだろうか。