グッドパッチ、大阪・グラングリーンに新拠点 デザインで〝体験価値〟と課題解決を軸に

 顧客体験を起点に企業変革を支援するデザイン会社グッドパッチ(本社・東京)は9月、大阪市北区の「グラングリーン大阪・JAM BASE」内に関西支社を開設した。国内で東京以外に拠点を設けるのは初めてで、西日本エリア、とりわけ関西圏の企業や地域を対象に、デザインを通じた課題解決と価値創造を推進する。

提供:グラングリーン大阪開発事業者

 同社は2011年に設立。2020年6月には日本のデザイン会社として初めて東証マザーズ(現グロース市場)に上場した。顧客企業に対し、UI/UX(ユーザーインターフェース、ユーザー体験)やブランド体験のデザイン、組織デザインなどを伴走支援する「デザインパートナー事業」と、デザイン人材のキャリア支援やオンラインホワイトボードを提供する「デザインプラットフォーム事業」を展開している。ミッションに「デザインの力を証明する」を掲げ、社会全体のイノベーションの実現をデザインの力で広げている。

 同社が掲げるデザインの概念は、単なる見た目や機能性の設計にとどまらない。使い手の体験価値を高め、事業成果に直結する仕組みそのものをデザインと捉える。例えば、アプリ開発やウェブサービスでは、解約率の低減や継続率向上といった経営課題に踏み込み、企業と伴走しながら成果を導く。製品やサービスを起点に、組織や新規事業の立ち上げまで含めた「上流からのデザイン」を重視している。

 関西支社長の小澤美里事業責任者は「首都圏ではスタートアップから大企業まで幅広い課題解決に伴走してきました。ユーザーに深く向き合う姿勢と経験を、今度は関西の皆さまに届けたい」と語る。

関西支社長の小澤美里さん

 これまで同社は、日本たばこ産業のスマホアプリ「Habee」の立ち上げにおけるデザインやプロダクト開発の支援のほか、「弥生会計 オンライン」のWebサイトリニューアルデザイン、丸井グループのDX(デジタル変革)推進、子会社設立などを支援。最近ではクボタと「食・水・環境」に関する未来のサービスづくりで共創している。

 同社の土屋尚史社長は関西でウェブディレクターとして経験を積み、米国での勤務を経て独立した経歴を持つ。大阪進出を記念し、10月24日に「VUCA(不確実性など)時代を乗り越える力:新規事業と事業成長をデザインする最前線」と題したイベントを同施設内で開く予定。クボタ関係者らも登壇し、デザインによる事業変革や成長の可能性を語る。

タイトルとURLをコピーしました