【万博】南太平洋の小国バヌアツ スタッフKikiさんが語る島国の生活と文化

 コモンズ館 Aに出展している「バヌアツ」は、オーストラリアの東側の南太平洋に位置する国で、1,300㌔にわたって連なる約80の島々で構成されている。各島には様々な部族がいて、各々の言語を持っているため、110を超える言語が使われており、地域を跨いでの会話が通じないほど。

 そこで英仏の植民地時代を経て1980年に独立したバヌアツでは英語、フランス語、そして「Bislama」という英語を崩したような言葉の3言語を母国語として、学校で習ったり、普段の生活で使っているという。そのため皆、生活に困らない程度にはどの言語とも使いこなせるようになるとのことだった。

 話を聞いたスタッフのKikiさんも英語とフランス語を難なく使いこなしていた。

Kikiさん

 Kikiさんとは、ピンバッジの多さとどうやってこれだけのバッジを手に入れたのかで盛り上がった。

 バヌアツの人口は約30万人くらいで、その80%が経済の中心地で首都ポートビラのあるエファテ島に集中している。
 多くの島では、子どもたちは学校を卒業したら首都ポートピラで仕事に就いて暮らしていくが、近年は若い世代は海外へ留学して、そのまま現地に就職して帰ってこないケースも増えているという。

 主要産業はツーリズムと農業。多くの食料は自給自足で賄っていて、足りない小麦製品などは輸入している。工場などはほとんどないため自然環境は守られているという。日本車や家電はトヨタや日産、パナソニックなどの製品が人気。
 パビリオン内には、バヌアツの主産業の農産物としてコーヒー豆やサトウキビから製造したラム酒、カカオから作ったチョコレートなどが展示されている。 

タンナコーヒー

 どれも個性的な製品で、それぞれ日本でも購入できるので、興味のある人はチェックしてみては。

 ほかにも羽飾りや衣類、彫り物なども展示されていて、南国の島国の文化の片鱗を感じることができる。

 カウンターの上に置かれている写真集には美しく見応えのある写真がたくさん掲載されている。ダイナミックな自然はもちろん、各部族の人たちの伝統的なフェスティバル時の格好やペインティングを施した姿など息を呑む迫力とパワーで、見ているとスッーと惹きつけられてしまう。

 Kikiさんは「日本には豊かな文化があり、日本人はそれを大事にしている。そこはバヌアツの人たちと共通しているところだと思う。こんなに多くの日本人が毎日、このパビリオンに来てバヌアツについて知ってくれるのは良いこと。小さな赤ちゃんを連れた人や1日中歩き回っている年配の方たちを見ると日本人は海外のことにとても興味があるのだろう、と思う。他ではないことではないか」と優しい表情で語っていた。

 バヌアツの人たちはメラネシア人という呼び方をされることがあるが、DNA的には、マレーシアやインドネシア、フィリピンに近く、多分にアジア人の感性やマインドセットに共感するところが多いとのことだった。国内にはフィリピン人や中国人が多く住んでいて、日本人も多くはないが在住している人がいるらしいので、実際に行ってみると違和感なく溶け込めるのではないだろうか。

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