
8月30と31日の2日間、北欧諸国の豊かなストーリーテリング文化に触れる「文学デー」が北欧パビリオンで開催される。
1日目は「児童文学」にスポットライトを当てる日で、誰でも自由に参加できるプログラムが多数用意されている。

ムーミンのような世界的に知られるキャラクターから、北欧から作家を招いたワークショップまで、子どもも大人も楽しめる午後のプログラムで、事前申し込み不要。先着順で参加できる。
北欧の児童文学は、想像力に富み、時に深く哲学的なテーマにも触れることで知られている。子どもたちの自主性、つながり、そして生きる力を育むこれらの物語は、今こそ多くの人に届けたいメッセージに満ちているのだ。世代を超えて愛されてきた物語の世界を、北欧パビリオンで体感してみよう。
ワークショップスケジュール@北欧パビリオン
▶14:40 ~ ワークショップ:エンマ&リセン・アドバーゲ
スウェーデンの人気作家・イラストレーター姉妹が、子どもたちの想像力を育むクリエイティブな時間を届ける。
テーマは「もし人間がいなかったら、きみは何になる?」 想像力をぐんぐん広げながら、お絵かきで自分だけのストーリーをつくってみよう。
絵本作家姉妹エンマ&リーセン・アドボーゲのユーモアとやさしさがあふれる創作の時間を体験しよう。二人はスウェーデンから文学デーのために来日する。エンマの「けがをした日」やリーセンの「Furan」を知っている人も、知らない人も、小さな子どもはもちろん、大人も参加可能。
▶15:30~ ムーミン・ストーリータイム「目に見えない子」
共感・自分らしさ・居場所をテーマにした感動の朗読。
先日、北欧パビリオンではムーミンの絵本出版80周年と、作者のトーベ・ヤンソンの誕生日を祝う「ムーミンデー」を開催したが、今回の文学デーでは、作者トーベの紹介と、ムーミンの物語 「目に見えない子」 を日本語で朗読する。
この作品は、冷たい扱いを受けたことで姿が見えなくなった女の子「ニンニ」が、ムーミン一家との交流を通して少しずつ心を取り戻し、再び姿を取り戻していく物語。
〝他者への共感の大切さ〟や、〝見ること・見られることの意味〟を教えてくれると評されていて、ムーミンの物語が大切にしている「多様性や思いやり」を感じられるプログラムになっている。
▶16:30 ~ 宮田=ジャンシ真理子さんによる読み聞かせ
やさしい語り口で、子どもから大人まで楽しめる北欧の物語を朗読。
朗読作品は、ノルウェーの絵本 「ミエコはおどる(Mieko danser)」。〝女の子らしさ〟〝男の子らしさ〟を超えて、のびのびと生きる姿を描いた、北欧らしい一冊。音楽とイメージを交えた特別な朗読会。
●朗読者プロフィール 宮田=ジャンシ真理子さん
日本とノルウェーにルーツを持つ多才なアーティスト。児童書から実験的なダンスパフォーマンスまで幅広いプロジェクトを手がけ、人間のアイデンティティや母性、愛といった普遍的なテーマを探求している。
デビュー作 「Mieko danser(ミエコは踊る)」はノルウェー文化省「2023年最優秀絵本」賞を受賞し、すでに5カ国語に翻訳されている。言葉・音楽・身体表現が織りなす特別なひとときを体験してみよう。
ポップアップステージ@ポップアップステージ東
また、8月30日は、北欧パビリオンでのワークショップと並行して、会場内ポップアップステージ東で関連イベントも開催される。こちらも事前登録などは不要。
登場するのは、スウェーデンの絵本作家アーロン・ランダール氏。代表作「みんながみんなを食べる」を自ら朗読し、サックスとチューバによるデュオ「Music for Isolation」(竹内理恵氏&ギデオン・ジュークス氏)が生演奏で物語を彩る。朗読と音楽が融合したステージは必見。
さらに、日本の伝統芸能・浪曲とのコラボも実現。「長くつ下のピッピ」が、浪曲師・真山隼人氏と曲師・沢村さくら氏の手によって、新しい表現で甦る。
▶12:00/13:30 アーロン・ランダール × Music for Isolation(竹内理恵&ギデオン・ジュークス)
▶12:45/14:15 真山隼人 × 沢村さくら
北欧と日本の芸術が交差する特別なひとときが楽しめる。