万博で「生命と水の循環施設」展示 市民からの3億円寄付活用

大阪・関西万博に出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」の敷地内に、水産養殖と水耕栽培を組み合わせた生産施設「アクアポニックス」のイメージ図
大阪・関西万博に出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」の敷地内に、水産養殖と水耕栽培を組み合わせた生産施設「アクアポニックス」のイメージ図(2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会)

 大阪府市や関西の経済団体でつくる「2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会」は5月8日、2025年大阪・関西万博に出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」で、水産養殖と水耕栽培を組み合わせた生産施設「アクアポニックス」を展示すると発表した。制作や運営の費用は大阪市中央区の会社経営、前田葉子さん(80)からの寄付金3億円を活用し、子供らに生命や水の循環を伝える施設として設置する。

 水産養殖(アクアカルチャー)と水耕栽培(ハイドロポニックス)を組み合わせた循環型の生産システム。微生物に分解された魚の排泄物(はいせつ)を養分として植物が吸収、成長することで水が浄化され、魚にとって快適な水環境が保たれる。自然界の縮図とも言えるこのシステムはサステナブルを体現する地球に優しい究極の循環型農業とも言われている。今後、大阪公立大植物工場研究センターの協力も得て最新の研究成果を取り入れながら、具体化に取り組む。