イベントなどで何度か行ったことのあるオーストリアパビリオンのレストラン「Flavors of Austria」で、人気のメニューの試食をしてきた。
これまでも同店で食事をしたことはあったが、いつもカフェメニューではないイベントメニューだったので、今回初めてメニュー表にある料理を味わった。
同店は常に人気で、待ちの列ができているのは日常のこと。開店後の午前10時過ぎには列に並ぶ人がいる日もあるとか。
人気の理由は、まず料理がおいしいこと。オーストリア料理といっても、なかなか明確なイメージが浮かばないが、欧州各国の料理の良いところをうまく取り入れていて、国境を接する8つの国の影響を受けてバランスが良いのも好まれる理由ではないだろうか。
また店内がオシャレでスペースもゆったりしていて、落ち着いた雰囲気があることも人気の理由だろう。豊臣時代の大阪城の城下町の様子を描いた「豊臣期大坂図屏風」という屏風絵の存在も魅力の一つかもしれない。
今回頂いたのはメニューの中でも一番人気のオーストリア風カツレツとポテトサラダ。
イタリアンなどでよくある子牛のカツレツに似たみた目だが、オーストリア料理は、ソースを使わないので、肉の上には何もかかっていない。好みに合わせてレモンを絞ってかけるくらい。シンプルに揚げた肉そのものの味を楽しんで貰いたいということだそうだ。この点は素材の味を生かす日本食と共通する部分かもしれない。肉を叩いて伸ばしているのでトンカツよりもかなり薄くなっているが、食べ応えは十分あった。
付け合わせはポテトサラダとなっていたが、ジャガイモをそのまま輪切りにしたもの。柔らかく、甘みがあり、味付けに酸味を加えているのでさっぱりしている。
来店客の注文をみても、半分くらいはこのカツレツを注文していたのではないかと感じる。これだけ人気があるのはカツレツがオーストリアの中でもウィーンの料理として知られているからかもしれないとのこと。
オーストリア風カツレツとポテトサラダの次に人気なのは、今回は試食しなかったが、オーストリア風ビーフシチューとパン。やはり中欧エリアの料理は肉食が好まれるようだ。
肉の後はデザートにリンゴ入りのパイをいただいた。アップルパイではなく、よく見ると「リンゴ入りのパイ」と記載されていた。
アップルパイともいえそうなデザートだが、アップルの舌触りはアップルパイのそれとも違うし、生地が層になっているところも、普通のアップルパイのイメージとは違った。
そして一番の特徴はパイの中にレーズンが入っていたこと。アップルに比べると味の主張は弱かったが、そこにいるだけで味が豊かになった気がした。
オーストリアではスイーツにレーズンが入っていることが多く、レーズンは欠かせない存在。
また、パイの横でお皿一面に広がっていたのはバニラソース。バニラビーンズに牛乳、砂糖、そしてコーンスターチを加えてまろやかな甘さのソースになっていて、甘い中に酸味の残るアップルとマッチしていて癖になりそう。
カフェは朝10時からコーヒーとケーキ、11時から14時はランチ、14時から16時は休憩(一時閉店)して、16時からまたコーヒーとケーキがあって、17時から20時までディナーを提供と、時間帯によって提供されるメニューが変わるので要チェック。
また、カフェ自体がオーストリアパビリオンの3階にあり、外からは分かりにくい場所にあるので、知る人ぞ知るカフェともいえそう。予約は不要で、階段かエレベーターで3階に上がると、すぐレストランの入り口。
「おいしくて、異国の文化に触れられる食事をしたい」または、「優雅にスイーツを楽しみたい」という人にはオススメのレストランだ。