維新の〝完全制覇〟なるか 力の源泉をかけた戦いに審判

投票を呼び掛ける統一地方選を告知する看板=大阪市北区の大阪市役所前
投票を呼び掛ける統一地方選を告知する看板=大阪市北区の大阪市役所前

 大阪の知事、市長の「ダブル選」と府議選、市議選の「4重選」で各候補が舌戦を繰り広げてきた選挙戦の投開票が4月9日に実施される。最大の焦点は政治団体・大阪維新の会が握る知事、市長ポストに加え、市議会で過半数を獲得し、〝完全制覇〟を達成できるかどうか。特に大阪市長選では「維新政治にストップ」を掲げる勢力は事実上、候補者を一本化し「維新対非維新」の構図で力の源泉をかけた戦いに挑んできた。有権者の審判が注目される。

激戦の大阪市長選

「身を切る改革を」横山氏 「命を最優先に考えて」北野氏

 大阪の知事、市長の「ダブル選」と同時に府議選、市議選の「4重選」のすべてで完全制覇を狙う大阪維新の会(吉村洋文代表)。ほかの党は 〝維新1強〟を阻止、首長ポストに加え、現有議席を維持、さらに増やすことで議会での影響力の拡大を目指している。

 注目は大阪市長選で維新の新顔、横山英幸氏(41)と元市議の北野妙子氏(63)の戦いだ。維新に対抗する政治団体「アップデートおおさか」が擁立した北野氏には自民党と立憲民主党が北野氏を自主支援し、共産党は支援を見送ったが独自候補を擁立しないことで事実上、側面支援し、「維新対非維新」の争いとなった。

 選挙期間中、横山氏が「税金を1円たりともむだにしない。政治家の身を切る改革を続けていく」との訴えに対し、北野氏は「大阪市民の皆さんのおひとり、おひとりの暮らしに寄り添って、命を最優先に考えて、大阪市のおかあさんになりたい」と声を上げた。 

大阪ダブル選の主な構図

市議会 過半数の〝攻防〟

 完全制覇を狙う大阪維新のもうひとつのハードルが、大阪市議会の過半数の獲得だ。吉村代表は「市議会の過半数を実現できなければ代表辞任する」と明言し並々ならぬ決意を表明している。しかし、維新といえども「市議選は定数2~6の中選挙区。1人区の多い府議選と比べ過半数の獲得はハードルが高い」(元大阪市議)という。

 完全制覇で事実上の「大阪都構想」の政策遂行を狙う大阪維新の会に対し、10年以上続く「維新政治」にストップを懸ける戦いの審判が注目される。