京都水族館(京都市下京区)の展示エリア「クラゲワンダー」は、クラゲの展示のほかに飼育スタッフとコミュニケーションがとれるオープンスペースが設けられていたり、生まれたてのクラゲを見ることができ、老若男女問わずクラゲの魅力にハマってしまう人が続出している。。
―クラゲのかわいいところはどこ?
脳みそがなくて、何も考えていないところや愛情がまったく伝わらないところが逆に良くて、かわいいです。ずっと「無」なので、ごはんをもらって嬉しいという感覚もないですし、そろそろごはんの時間だからと近くに来ることもありません。たまたま水流に乗り、そばに来てくれることはあります。
―クラゲの飼育担当として大変なことは?
クラゲには毒があることが有名ですが、触手に毒カプセルがあります。触手がとても長い子がいるので、気をつけていても触れてしまうことが…。ちなみに刺されて淡水で洗い流すと毒をさらに取り込んでしまうので、海水浴などで刺されてしまった時は必ず海水で洗い流すようにしてください。
―なぜクラゲは傘を動かすのですか?
傘を動かすのは、ごはんを体内に取り込もうとしているため、生きるためです。水槽の上からストローを入れ、1匹ずつごはんをあげるのですが、お腹がオレンジ色になっている子はすでに食べているので、チェックしてみてください。クラゲの体には「水管(すいかん)」と呼ばれる管が通っていて、ごはんや水中の酸素を取り入れるため傘を動かしています。心臓がないので、その動きが心臓の代わりになっています。
―子どもたちからよく聞かれる質問ってありますか?
どのクラゲが1番、毒が強いかを聞かれることがあります。「アマクサクラゲ」は触手だけでなく、傘にも毒を持っているので注意してください。ちなみに子どもたちに人気なのは、ちいさくてかわいい「たこくらげ」です。
冒頭で紹介した飼育スタッフとコミュニケーションがとれるオープンスペース「京都クラゲ研究部」では、繁殖や研究を行っており、まだ日本名が付いておらず、学名で呼ばれている「クリサオラ・プロカミア」が生息中だ。
クラゲの細部まで表現されたランプを20種展示
3月21日までの期間限定で展示されているのは、飼育スタッフ監修のもと制作された「クラゲランプ」。繊細なクラゲの細部まで表現されているランプが20種類展示されており、1番人気は、「小さくてポヨポヨ動くのがかわいい」と好評の「キャノンボールジェリーフィッシュ」なんだとか。
また、もっと生態を知ってもらいたい、スタッフのクラゲ愛を伝えたいと3カ月ほどかけて完成した「クラゲ相関図」は今年初登場。ホームページでも公開されていないので、ぜひ館内で探してみてほしい。
クラゲの生態解説などのイベント開催
2025年1月18日からは、生後1カ月のミスクラゲを手元で観察できるワークショップのほか、北里大学の三宅教授にクラゲの生態を解説してもらえる特別授業が開催。それぞれ参加条件があるので、詳細は同館ホームーページ(https://www.kyoto-aquarium.com/index.html)へ。
■京都水族館/京都市下京区観喜寺町35-1(梅小路公園内)/電話075(354)3130