大阪の公立高校の入試制度を教えて! 内申点と入試の得点はどう配分される?

 大阪は他地域に比べ、公立高校の入試制度がかなり複雑です。「自分が受験したときと違うからよくわからない」と戸惑っている保護者も多いことでしょう。

 そこで「通知表の成績(内申点)がどういう計算で加点されるか?」「合格・不合格の順番はどう決まるか?」などを大阪府教育庁に直接取材してまとめました。

 実は、受験は中学1年生からはじまっています。内申点の加点が始まっているからです。

 この記事で受験の仕組みをしっかり理解し、準備しておきましょう。

【入試の仕組み】通知表450点、当日入試450点で配点

 大阪の公立高校の合否判定に使われるのは、基本的に中学3年間の通知表の評定(内申点)と入試の得点結果の2つです。

 この2つを合わせた点数が、高い方から順番に合格が決まり、各学校の定員数を超えたところから不合格になります。

 配点は通知表の成績(内申点)が450点、入試当日のテストの結果が450点となっており、合計は900満点です。

 それでは、さらに細かい部分を見ていきましょう。

通知表の450点の内訳は?

 まずは通知表の450点の中身です。

 中学校は全部で9教科あります。国語、数学、英語、理科、社会、保健体育、技術家庭、美術、音楽です。

 例えば、通知表がオール5なら、9(教科)×5(評点)=45点となります。1〜3学期のどの時期の成績が採用されるかといえば、1、2年生の時は3学期の通知表成績が採用されます。1、2学期は途中経過だからです。一方、3年生は3学期の通知表の評定が出るよりも先に、入試日がありますから、2学期末の成績を踏まえて総合的に判断されます。

 「えっ、でもそれじゃあ各学年の内申点が45点しかないから、45点×3年=135点にしかならないじゃん。450点って言っていたはずだよね…」

 その通りです。ここからさらに、加点するための計算式があります。先ほど示した各学年の通知表成績に、1、2年生はそれぞれ2倍にし、3年生は6倍を掛けていきます。

 つまり、3年間オール5なら、1年(45×2倍)90点+2年(45×2倍)90点+3年(45×6倍)270点=450点となります。こうみると、受験は1年生から始まっているんですね。

入試450点の中身は?

 それでは、もう一方の入試得点についてみていきましょう。

 こちらも450点ですが、内訳は単純です。入試は国語、数学、英語、理科、社会の5教科で出題されます。それぞれの満点が90点なので、90点×5(教科)=450点となるわけです。

内心重視? それとも入試? 学校によってウェイトが異なる

 基本的な仕組みが分かったところで、ここからさらに加える要素があります。ていねいに説明しますから、頑張ってついてきてくださいね。

 その要素とは、学校によって入試に重点を置くか、通知表に重点を置くかが異なっているところです。一般的に中位校~上位校は入試に重点を置いており、入試と通知表の配点を7:3で計算する場合が多いです。

 実際に得点に変換するときは、入試得点に1.4倍、通知表に0.6倍を掛けます。

 仮に900点満点の場合は、

 <入試> 450点×1.4倍=630点  <通知表> 450点×0.6倍=270点

 となるわけです。

 倍率のタイプは下表の通りで、全部で5つのタイプあります。

一般入学者選抜(全日制の課程)における倍率のタイプ

 北野、天王寺、茨木、三国丘など大阪の公立高校でもトップの10校は、先ほど説明したように入試得点に1.4倍、通知表に0.6倍を掛けるⅠタイプとなっています。難関校ほど当日入試のウェイトが高く、Vタイプに近づくほど通知表重視になっているのが特徴です。

 ちなみに2023年度は、Vタイプを採用した公立高校はありませんでした。

>>2023年度選抜で各学校が採用した倍率タイプ一覧 ※出典:大阪府教育庁「令和5年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項」

合格ボーダーの上下10%の受験生は、自己申告書で合否判断

 ここまでの話で、大阪の公立高校の入試制度について一通りは理解できたのではないでしょうか?

 最後にもう1点だけ、押さえておく部分があります。

 それは入試の結果、合格のボーダーゾーンに位置する受験生には措置が与えられることです。

 例えば、定員100人の公立高校に150人が志願したとします。定員が100人のため、ボーダーラインは100位となります。先ほどの900点満点の総合得点を高い順から並べたとき、ボーダーとなる100位の上下10%(合計20%)、つまり91位から110位までの受験生は「学力差がない」と判断されます。ちなみに90位なら文句なしに合格、111位なら確実に不合格になります。

 「学力差がない」と判断される91位から110位までの受験生20人のうち、合格できるのは10人です。

 その合否判定に使われるのが「自己申告書」と内申書の「活動/行動の記録」です。受験した高校のアドミッションポリシー(求める生徒像)に沿った生徒を校長が見定め、求める生徒像に合った受験生から優先的に合格になります。

 各高校がどんな生徒を求めているかは、3年生の秋ごろに配布されるアドミッションポリシーでチェックできます。※参考:2023年度のアドミッションポリシー(出典:大阪府教育庁)

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