路地裏の奥の奥にある〝うどん屋〟に入ってみた

一番人気の「カツ丼とミニうどん」セット

 JR京橋駅から徒歩で約5分の住宅街のど真ん中に1件のうどん屋がある。大通りから路地に入り、奥に折れて、その先だ。「どうしてこんな目立たない場所に?」と思わず突っ込んでしまいたくなるような立地だ。

 この店の名は「うどん処ごく楽」、京阪本線の野江駅前で約50年で、地元で親しまれた「手打うどん 天国」の味を引き継いでいる。

 店名は天国から極楽へと、少しややこしい。何か意味があるのだろうか? 店主の兼田さんに聞けば「アルバイトで働いていた頃からかわいがってくれた社長が大切にしていた自慢の味を受け継いで新しい店を出した」と教えてくれた。「だから店名が天国から極楽か、言葉は違うけど、意味は同じですね」と伝えるとニコッと返してくれた。

 立地について「どうしてここに?」と続けて質問すると「この場所が空き店舗だったから」とサラリと話す。出汁に絶対的な自信があれば場所なんて関係ないと言わんばかりだった。実際にリピート客が増えているという。

 一番人気は「カツ丼とミニうどん」のセットだとか。自慢の出汁と玉子でとじられたカツは、ご飯の上で染み染み状態でのっている。うどんは出汁の香りが際立つ。国産小麦100%の麺はツルッとした食感でコシも強い。確かに一度食べればクセになる味だ。すると「うちは一番出汁しか使わないんです」と自信満々に教えてくれた。

■うどん処 ごく楽/大阪市城東区蒲生1丁目8−32/電話06(7777)5590/営業 11:30~14:30、17:30~21:00/木曜日の夜定休