海上の「動くパビリオン」、夢洲会場つなぐ水素燃料電池船 水素エネルギーの魅力を世界に発信

水素燃料電池船 水素エネルギーの魅力を世界に発信

 2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で、大阪市内の船着き場「中之島GATEターミナル」(西区)から万博会場「夢洲(ゆめしま)」(此花区)をつなぐ旅客運航で、二酸化炭素(CO2)を排出しない国内初となる水素燃料電池船(全長30㍍×全幅8㍍)の建造が進んでいる。

 岩谷産業が建造している水素燃料電池船は海上の「動くパビリオン」と位置付け、大阪・関西万博会場までの移動を特別な航路体験に変え、水素エネルギーの魅力を世界に発信することを目指す。

 水素船は客席2階建て。デザインはカーデザイナーとして世界的な山本卓身氏が担当。海を力強く駆ける「神獣(しんじゅう)」をイメージし、水素の先進性を訴求する未来を感じられる斬新なデザイン。航路は川船と海船が行き来し水都・大阪構想の重要な拠点となる「中之島GATEターミナル」(西区)から大阪有数の観光スポットの近くに位置するユニバーサルシティポート(UCP、此花区)を経由し、大阪・関西万博会場となる夢洲(同区)までのルートを予定。所要時間は約40分を見込む。

 同社広報部は「従来の内燃機関船と違い、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない高い環境性能でにおい、騒音、振動のない快適性を実現する」としている。