【特別対談】北大阪急行が延伸開業 大阪の南北軸が強化 箕面市・北急・みのおQ,sのキーマンが鼎談

左から、みのおキューズモール総支配人の大門さん、箕面市の上島市長、北大阪急行電鉄の内芝社長

魅力あふれる箕面市に

 大阪の南北軸を運行する北大阪急行線の延伸開業が3月23日、スタートを切る。同線は地下鉄御堂筋線(大阪メトロ)に直接乗り入れるため、新設2駅(箕面市)と梅田間が乗車時間30分以内で結ばれる。これで大阪都心に乗り換えなしでダイレクトアクセスが可能だ。延伸線は、新御堂筋の渋滞緩和などさまざまな経済波及効果も期待できる。キーマン3人に今後の展望を聞いた。

大阪都心へダイレクトアクセス

 ―今の思いをお聞かせください。

上島 2003(平成15)年に萱野中央の区画整理のまちづくりが、進行したわけですが、箕面市で公開コンペをやって、東急不動産、鹿島建設が入札されました。最初の施設名は「箕面マーケットパーク ヴィソラ」という形で、オープンしました。それまでは萱野エリアは何もなかった。そこに大きな商業核ができたというのが、鉄道延伸の大きなインパクトになったと思います。
 箕面市では延伸線の財源を確保するため基本条例を組み、ボートレース事業の収益をそこにあてていくことにしました。財源は当初予定より、27年前倒しで2023(令和5)年度に確保できました。

箕面市長 上島一彦さん

 ―北大阪急行さんもずいぶん長い計画でしたが。

内芝 私は1989年に阪急電鉄に入社したんですが、最初に配属されたのがこの北大阪急行の延伸を担当する部署でした。工事がスタートした2017(平成29)年には社長に就任することになり、そして開業を迎えることができるのは、非常に感慨深いものがあります。ただ、社長に就任して丸2年たった、2019(平成31)年5月、当初予定していた2020(令和2)年の開業に間にあわない。3年延長することになると苦渋の思いで発表させていただきました。実際土を掘り起こすといろなものがでてきたりして予想以上に掘削に時間がかかった、というのが実情でした。

北大阪急行電鉄株式会社 代表取締役社長 内芝伸一さん

みのおキューズモールステーション棟、新駅「箕面萱野駅」と同時オープン

 ―東急さんの立場からいうと、予想以上に時間がかかったと。

大門 今回ついに延伸開業するということで、新たにステーション棟を建て、開業日も延伸線と同じ開業日に合わさせていただきました。ステーション棟は、いまのキューズモールよりもより利便性を求められるお客様が増えるということで通勤、通学、帰宅客の皆さまにご利用しやすい店舗となっています。映画館で言いますと駅の改札を出てから映画館の入り口にいたるまでの距離は日本でも有数の短さです。

東急不動産SCマネジメント株式会社 みのおキューズモール 総支配人 大門康弘さん

東西のバス路線、増便で充実

上島 今まで交通の流れは千里中央を起点にして真ん中と東西に抜けていたものをこの2駅を中心にしてこれからは東西のバス路線が非常に発達、充実します。特に東部はバス路線が3割便数が増えます。御堂筋の大阪の南北軸の北のターミナルが箕面萱野駅になります。開通後は東急さんの駅ビルと高架下の店舗が31店舗できて、高架下で一杯飲もうとか、有名な飲食店も入り集客も期待できます。さらに箕面萱野駅の東側にはテーマパーク「ウェルビーみのお」という4㌶の住宅展示場兼公園があります。箕面に住みたい、家を建てたいと思っていただければ幸いだと思います。

「健康寿命の延伸」のまちに

上島 箕面船場阪大前駅には大阪大学箕面キャンパスがあり、図書館には71万冊の蔵書があります。文化芸能劇場では1401席と300席のホールが整備されました。駅前広場もあって、地下にはギャラリーもできます。船場の駅は地下3階ですから、そこからエスカレーターであがればすぐに劇場、図書館、大学につながる。まちのテーマは「文化、芸能、国際交流の拠点」です。これからは「鉄道の延伸」だけでなくて、「健康寿命の延伸」として大阪府のヘルスケアの成長特区申請の準備をしています。国の地域未来投資促進法を適用してヘルスケア関連の企業が進出する場合は、地方税をゼロにして、「ヘルスケアの拠点」のまちになります。

 ―北急さんは今後、観光客も期待できますね。

内芝 データからみても当社は通勤でご利用されるお客様が非常に多い。箕面市さんには、自然豊かな多くの観光資源があります。また、箕面萱野駅にはキューズモール様が立地し、うまく活用させていただいて、通勤以外のお客様にもご利用いただけような取り組みを行っていきたい。

 ―今後の企画は。

大門 箕面の滝、勝尾寺、瀧安寺など箕面には自然と歴史文化の観光資源が多い。延伸があれば箕面船場阪大前駅、箕面萱野駅からの観光客は増えてくると思っています。その出発点の地にキューズモールがあるので「食べる」だけではなく、イベントの出発点としてもやっていきたい。

 ―まちが変わっていくイメージは。

上島 せっかく新駅ができたわけですから、便利な電車とバスでいくという公共交通をしっかりご利用いただくような、流れをつくっていかないといけない。
 箕面市には、スカイアリーナがあるんですけど、大相撲の力士200人にきてもらって大相撲箕面万博場所を毎年やっています。万博の年は8月3、4日に万博会場でも大相撲を開催しますが、その流れの一つを箕面からつくっていきたい。3月末に竣工して4月上旬にはスカイアーリーナの近くに約1220平方㍍のスケートボードパークが開業します。

 ―新駅の特徴は。

上島 1969(昭和44)年から新御堂筋の供用が始まり、船場の造成も始まってまちができた。そこから市街化が広がり、今は人口14万人弱になっています。大阪の船場が箕面にあるというインパクト、「知の拠点」である大阪大学が箕面にあるというインパクトは非常に大きい。これをしっかり生かしたい。また、箕面萱野駅では、箕面自由学園高等学校のチアリーダー部の「ゴールデンベアーズ」や「サントリーサンバーズ」(箕面市を本拠地とする男子バレーボールチーム)を招いてキューズモールでいろんなイベントをやりたい。

 ―大阪都市部からも近い存在になりますね。

上島 箕面は都市部から近くて緑が多い。一番の魅力だと思う。箕面森町(みのおしんまち)は大阪府が開発したまちで人口は現在5500人。彩都はUR都市機構が開発し7500人が住んでいます。現在では住民の平均年齢が29歳で高齢化率はわずか4%。オール箕面の平均でも高齢化率25%ですが、4%は今の社会では考えられないでしょう。なぜ、人口が増えているのか、というと大阪府域ではじめて施設一体型の小中一貫校「とどろみの森学園」と「彩都の丘学園」の存在が大きい。中3の英語力目標である「英検3級」相当を有する生徒の全国平均は4割台ですが、箕面市では約8割です。800人の小中学校の先生がいますが、76人は英語を母語とするALT(外国語指導助手)です。

「健康寿命の延伸」のまちに

内芝 箕面市域の観光やキューズモール様へのお買い物にも当社をご利用いただきたい。そのためには、当社沿線で様々な観光政策を打ち出されている箕面市さんや、キューズモールさんとこれまで以上に連携していきたい。当然アクセスが便利になれば、船場、萱野にも転勤族の人たちが住まわれる可能性がある。箕面市さんにはより住みやすい施策の充実をお願いしたい。

 ―開業後は利便性が増しますね。

大門 「集い」はキューズモールが大切にしているテーマです。そういった中で、箕面自由学園さんと「スマイル音楽祭」を開催しています。箕面市の吹奏楽部のある公立中学校、すべてに声をかけて出演していたけるイベントが定例化できるようになりました。駅前にある公園、かやの広場の指定管理を箕面市さんから受けさせていただきました。「人が集まる場」として盛り上げていきたい。