〝市内で樹木葬〟 「興徳寺」の永代供養墓が選ばれる理由

シンボルツリーの楠の木からは、大地のエネルギーを感じられる

 近年、樹木葬が広がりを見せている。永大供養墓のなかでも、見学に来る人が増加傾向だという。市内という立地にありながら自然に囲まれる樹木葬墓地がある、興徳寺。注目の理由を青木隆興住職に聞いた。

お寺の雰囲気が決め手

 樹木葬は永代供養が基本となっており、寺院や霊園に墓の管理を任せられることが特徴だ。生前予約ができ、お墓の場所を自分で決められるのも人気の理由と言えるだろう。興徳寺でお墓を購入した人は「お寺の雰囲気が決め手になった」という。青木住職は、「購入された方は、一歩足を踏み入れた時に『空気が変わる』と感じられることが多い」と話す。

「ご家族の気持ちを優先」  

 取材に訪れた日は冬晴れで、風が吹くと葉擦れの音が心地よくざわめいていた。大きな楠の木からは、やわらかい日差しが差し込んでいる。こうしたあたたかい雰囲気は、墓地内にも連鎖しているようだ。「故人は寒がりだったからと、墓石にマフラーを巻くご家族がいました。するとそれを見たほかのご家族も、何組かマフラーを用意されたんです」。興徳寺は共同墓地にしては珍しく、可能な範囲で自由にお供えができる。故人への心遣いが連鎖するのも、興徳寺ならではといえそうだ。青木住職は「ご家族の気持ちを優先したい」と穏やかに話した。

青木隆興住職

家族での見学も可能

 興徳寺の樹木葬は、楠の木・桜・銀木犀から好きな場所を選ぶことができる。樹木葬の見学は「お問い合わせフォーム」より。宗教や宗派は不問。家族で見学に訪れる人も多い。

<取材協力>高野山真言宗 隆法山 興徳寺/大阪市天王寺区餌差町2−17/電話06(6761)7040