「純烈」 大阪・新歌舞伎座で初座長公演

 大阪・新歌舞伎座の開場65周年を記念し、同劇場初となる座長公演「新春 純烈公演」を上演中のムード歌謡カルテット「純烈」が好調だ。

大写しされた自らのLED画像前で歌う「純烈」の4人(撮影:岩村美佳)

 第1部は1930年代米国が舞台の『ハリウッドスターになりたくない』。セールスマンのトニー(白川裕二郎)と、売れない役者のデビー(岩永洋昭)にバーテンのパット(後上翔太)兄弟は、ニューヨークの酒場でギャングのジャック(酒井一圭)の悪事を目撃し命を狙われる。3人で懸命に逃げハリウッドで映画エキストラにまぎれ込むが、トニーが主演女優プリシラ(小川菜摘)に気に入られ相手役に抜擢され、やがて彼女の代役女優キャロル(横山由依)と恋仲になる。その映画が全米公開され、偶然見たジャックが3人の居場所を突き止め追い詰める…というスピーディーな展開。

ギャングのジャック㊨に筋肉自慢するデビー(撮影:岩村美佳)

 第2部は純烈コンサート2023『スーパー♨スター』。彼らのヒット曲メドレーだけでなく、2月発売の北島三郎作曲の新曲「純烈魂」を一足先に披露。「星降る街角」(敏いとうとハッピー&ブルー)などカバー曲もふんだんに盛り込んだ。途中で4人が手分けして、2、3階席までくまなく回り来場者に握手と写真撮影に応じるなど〝スーパー銭湯の帝王〟と言われたサービス精神は今も健在。

 その間、第1部では回り舞台とせり上がりをフルに使った大掛かりなセットで度肝を抜き、第2部ではLED大型スクリーンなど映像を効果的に用いて「新歌舞伎座の実演ならでは」の演出で最後まで飽きさせないステージを繰り広げた。

ジャック㊨のギターで歌い出すトニー㊧。デビーとパットがハラハラしながら見守る(撮影:岩村美佳)

 昨年末のNHK紅白歌合戦は6年連続6回目出場。昨年2月発売の「だってめぐり逢えたんだ」が日本レコード協会からゴールドディスクに認定。「プロポーズ」「純烈のハッピーバースデー」に続き、4年ぶり3作目となり根強い人気を維持。

 「純烈」は2007年酒井の呼び掛けで6人編成でスタート。キャバレーやヘルスセンター、スーパー銭湯などの余興を地道にこなし、13年に現在の日本クラウンに移籍したあたりから徐々に頭角を現した。その後、メンバーの離脱もあり昨年1月、岩永の加入で現在の4人となった。

 リーダーの酒井は「関西と言えば箕面スパーガーデン。今年は新歌舞伎座でキックオフできるとは!」と感激の面持ち。新加入で紅白初出場した岩永が「夢の舞台でした。僕の一生の思い出」と話すと、酒井は「いやいや、今年7年連続はもちろん10年は出るよ」と力強くファンに約束した。

歌いながら客席を回り握手と写真に応じる。写真中央は白川

 新歌舞伎座公演は1月22日まで。1月11日休演。チケットの問い合わせは電話06(7730)2222、テレホン予約センター。

 (畑山博史)