コンセント不要、スマホの置き型充電システムを開発
連絡から決済まであらゆる行為をスマホひとつで行えるようになった現代社会。スマホが手放せない生活になると、バッテリーがいつまで持つかはいつも気がかりだ。グランフロント大阪のナレッジキャピタル8階コラボオフィスに事務所を構えるベンチャー企業のエレクトロンヴェクシーは、置くだけで充電ができるコンセントいらずのワイヤレス充電システム「スマートチャージャー」を開発した。(磯見愛香)
気軽に充電できる「置き型充電器」は最近増えてきたが、電源を確保しなければいけない不便さは依然として残る。アメリカの一部店舗ではワイヤレス充電が実装されたが、電源確保のために机に穴を開ける必要があり、店舗の雰囲気に影響してしまった。一方で同社のシステムは穴を空けない埋め込み。インテリアに充電設備が一体化しているため、デザイン性が損なわれないのが利点だ。
現在は国内での普及を目指し、不特定多数の人が利用するホテルや商業施設での導入を進めている。2025年開催予定の大阪・関西万博の会場にも設備参加をする。
「会社や学校、コンビニ、ショッピングセンター、映画館や飲食店まで、日常で使う施設のあらゆる場所に行くたびに充電ができたらすごく便利ですよね。どんな場所でも気軽に充電できる環境を整えることで『わざわざ充電する』という行為がなくなるような、新たなインフラとなりたいですね」と池内智彦社長は話している。
【池内智彦さんプロフィル】株式会社エレクトロンヴェクシーの社長・CEO。大阪市立大学の大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。2000年に学位を取得後、大阪大学や神戸大学で助手(現、助教)として研究、教育に従事。17年にエレクトロンヴェクシーを設立。21年には事業推進のため、大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻に招聘研究員として所属。