
守口市の地域活性化を目指して企画された地酒「ウラモリ酒」が、今年も新たな仕込みを経て完成した。2025年版として6月3日から販売が始まる。
この酒は、「地域の名物を作りたい」という有志の思いから始まり、構想から3年、2023年に試験的なリリース、そして2024年には100本の販売。試行錯誤を経て、麹米、酵母、発酵方法などの選定を醸造責任者と相談を重ねた結果、2025年の今年は、これまでにない「よりクリアで安心感を感じられるピンと1本筋の通った超辛口」に仕上がった。

かつて企業城下町として栄えた同市は、限られた人しか味わえなかったという〝超辛口で香り高い〟日本酒が存在していたという。その味わいを現代に再現しようというのが、このプロジェクトの出発点だ。
使用する酒米は、滋賀県の榮(さかえ)農場による減農薬栽培の「日本晴」一等米。愛知県の関谷酒造で製造され、精米歩合は55%。麹(こうじ)は吟醸用の伝統的な種麹(たねこうじ)を使い、酵母は6号。突きはぜによる麹づくり、低温での発酵、日本酒度を極限まで切るなど、昨年同様に手間と技術を惜しまず仕込まれた。
提供、販売は守口市日吉町の「ひよし酒店」で行われている。店主の石原和歌子さんは「今年も楽しみにしていたという声が多い。地域の食と合わせて楽しんでほしい」と話している。
「地元の人が関わって作った地酒」というストーリー性も相まって、ウラモリ酒は今年もまた、守口の酒文化の新たな一歩となりそうだ。
■立呑み倶楽部 ひよし酒店/守口市日吉町2-2-11ウエリスアーバン守口1階
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