年齢的には〝演歌第7世代〟の兄貴分に当たる演歌歌手、大江裕(34)が師匠・北島三郎(88)が得意とした北海道を舞台とした新曲に挑戦。11月にリリースしたCDは「北海ながれ歌」と「さいはて浪漫」で、出演中のHBCテレビバラエティー番組「大江裕の北海道湯るり旅」をほうふつとさせる楽曲に張り切っている。
2曲とも大江が初めてコンビを組むヒットメーカー弦哲也の作曲。自身が道産子の北島演歌が北国の厳しさや激しさを表現したのに対し、大江の作品は雄大さやおおらかさを感じさせる仕上がり。大江は「弦先生は師匠(北島)と一緒に歌手をされていて、師匠から〝作曲の才能を生かしたら?〟とアドバイスされ作曲家に転じられた方。初めてお仕事で一緒させて頂いたのですが、僕の事をよく理解して下さって感激でした。〝大江君、今まで常に力一杯歌ってきたけど、たまには肩の力を抜いて歌ってみたら〟と教えて下さいました」と明かす。
元々高校生の時に明石家さんまの「からくりTV」の企画で〝演歌高校生〟として注目され北島に弟子入り。兄弟子の北山たけしと組んで「北島兄弟」として日本レコード大賞企画賞やNHK紅白歌合戦にも出場した。現在はTBSテレビのバラエティー番組「いくらかわかる金」の中で日本各地でゲリラ路上ライブを敢行し投げ銭をもらい額を明かすコーナーを担当。「道行く若い方は僕の事など誰も知らないんです。その中でリクエストにも答えながら歌い、人の輪が広がって行く。ホントに得がたい経験をさせて頂いています」と話す。
先日、久しぶりに師匠とステージで共演。その元気な歌声に安心し再認識もさせられた。「昨春に北島音楽事務所から独立し、改めて師匠の背中を追っている自分を感じました。師匠からは〝オレもお前もCDは同じ1500円。先輩後輩じゃなく競争だ〟と言われました。マネをするのではなく、1周回って若い方に演歌を聞いてもらいたい。そのためには僕は何でもします。映画のアフレコもお芝居舞台も経験させてもらいました。スタートがテレビバラエティーですから、周囲の皆さんに僕を自由に使って頂きたいです」と意欲的だ。
(畑山 博史)