上方落語協会が広く寄付を募って2006年にオープンした常設寄席「天満天神繁昌亭」がこのほど開場18周年を迎えた。
イベント・プロデューサーの露の都・理事をはじめ、副会長の桂米團治や敷地所有者の大阪天満宮・寺井種治宮司、地元天神橋筋商店街を中心に組織するNPO法人「上方落語支援の会」盛岡淑郎会長らが出席して鏡開きし、来場者らに祝い酒を振る舞った。
司会を担当し、このほど5代目桂慶枝を襲名した三風は「繁昌亭ができるまでは地域寄席が中心で、ファンに〝どこで見られるねん?〟とよく問われました。その後は〝毎日やっているので繁昌亭へ〟と胸を張っていえるようになりました」と説明。
米團治は「当時の三枝会長(現在の6代桂文枝)の発案で20年前ぐらいから建設基金を集め出したんですが、正直〝常設館作って大丈夫かな?〟との心配がありました。それが開場以来連日大入り満員で感激したものです。ようやくコロナ禍が明けましたが、お客さまはまだ以前に戻ってはいません。その間に神戸には新開地喜楽館もできました。協会員が一層努力して常設館を盛り上げていかねばなりません」と決意を述べた。
寺井宮司は「天満宮の土地で寄席を開き、地域の方々が支援する。いわば『三方よし』の全国でのモデルになっている、とうかがいます」と引き続いての支援を約束。盛岡会長は「20周年に向け、連日満員が復活するようにファンの皆さんと共に支援していきたい」とエールを送った。
(畑山 博史)