「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの漫画家・荒木飛呂彦氏が29日、JR大阪駅西側地区でアート作品を展示するプロジェクト「WARP」の先行公開セレモニーに登壇した。
「WARP」は大阪駅西側エリアを起点とするアートプロジェクトで、大阪駅の歴史と現在を繋ぎ、訪れる利用客に日常的なアート体験の場を提供することを目的としている。一般公開時は31日にオープンする新駅ビル「イノゲート大阪」を中心に6点の作品が展示される。
セレモニーでは荒木氏が初挑戦となったパブリックアート「THE FOUNTAIN BOY」が先行公開され、インタビューに応じた同氏は「依頼があったときは、昔ここに『噴水小僧』というモニュメントがあって、現在は博物館(京都鉄道博物館)で眠っていると。それを新しい形で復活させたいと聞いて、素晴らしいなと思いました。パブリックアートという点でも、貢献できることが本当に光栄に思いました」と語った。
披露された作品には「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズに登場する7体の「スタンド」が描かれており、理由を聞くと「公共のためにあった噴水というのは世界的に伝統がありますので、まずは噴水を描こうと思いました。噴水は循環していたり、世の中の自然現象を表していたりということで、『ジョジョ』の『スタンド』も自然な力や見えないパワーを絵にしているんです。それは絶対噴水の中で必要だなと。それで何体か散らばせていただきました」と解説。
選定したスタンドについては「噴水なので雨を降らせる『スタンド』である『ノーヴェンバー・レイン』を入れていますが、パワーが強い順です(笑)」とコメント。会場は笑いに包まれたが「通過する人たちの癒やしであり、希望であり、これから幸運へのパワーという意味で、ここでの待ち合わせの時もいいことがありますようにという願いで描かせていただきました」と作品に込められた思いを明かした。