〝遅れてきた新人〟の岡本幸太 デビュー1周年で頭角 2枚目のCD「君に愛がとまらない」リリース

場内に〝くるくるダンス〟をアピールしながら歌う岡本幸太

 昨春念願のソロデビューを果たした歌謡曲歌手の岡本幸太(36)が2年目に入った今月、2枚目のCDとなる「君に愛がとまらない」をリリースした。大阪アメリカ村のライブハウスで開催の「大阪発流行歌ライブ」や神戸新開地での「KOBE流行歌ライブ」へ相次いで出演。同じく大阪のホテルで同じ若手演歌歌手青山新とジョイントしてディナーショーを開くなど、広島市出身とあって西日本で精力的に活動を繰り広げている。

 歌手を志して20歳過ぎに上京。昭和歌謡やアニソンなどを歌いながらソロ歌手を目指し、カラオケのガイドボーカルやバックコーラスなど裏方も黙々とこなした。2016年には〝歌の国体〟と言われる「日本大衆音楽祭」でグランプリに当たる内閣総理大臣賞を受け、昨春ようやく〝遅れてきた新人〟として35歳でレビューした。

 「大阪発流行歌ライブ」では、デビュー曲「あなたに哀愁」からスタート。昭和歌謡「大阪暮色」(桂銀淑)をムードタップリに、米ポップス「ルイジアナ・ママ」(日本では飯田久彦)を歌いながら観客席をラウンド、最後に新曲「あの日の夢を忘れない」と〝くるくるダンス〟の振り付け付きで「君に愛がとまらない」を場内の観客にアピールしながら軽快に歌い踊った。

終了後、CDを手売りしながらファンと交歓する岡本幸太(左)

 「1年前はソロデビューできただけでうれしくて〝自分らしく歌う〟という余裕はまだ全然ありませんでした。〝2作目を出してもらえるのかな?〟と心配した時期も。今は有り難い事にステージに上がると〝幸太く~ん!〟って声を掛けて貰えるようになりました。今度の『君に愛がとまらない』は僕らしいリズム感と明るさが出せたと思います」と手応え。

4月度「大阪発流行歌ライブ」の出演者。右から2人目が岡本幸太

 演歌歌謡界では〝第7世代〟と呼ばれる20代歌手同士の切磋琢磨が盛ん。岡本は彼らより遅れてきた上の世代で、オリジナル曲こそ少ないが下積みが長かった分レパートリーは広く、こうしたライブ会場ではファンを飽きさせない力がある。「デビュー1周年ですからまだ全国で回っていない場所がたくさんある。2年目の今年はもっとどんどん各地を回って、多くの方にまず岡本幸太を知ってもらいたいです」と瞳を輝かせた。

(畑山博史)