二子山、立浪の両部屋入り 全日本学生相撲選手権で団体優勝した近畿大の2選手

 昨秋の全日本学生相撲選手権で13年ぶり9回目の団体優勝を飾った近畿大から主力2選手のプロ入りが決まり、母校で記者会見した。

記念写真に収まる左から、山口近大相撲部部長、二子山親方、三田選手、立浪親方、山崎選手、阿部近大相撲部監督

 団体戦先鋒を務めた三田大生主将(22)が二子山部屋、同副将の山崎勝麿副主将(22)は立浪部屋を選んだ。三田の父が二子山親方(元大関雅山)と旧知で幼い頃から見守ってくれた縁で、山崎は中高時代の同級生や後輩が多い立浪部屋(元小結旭豊)を選択。山崎は学生時代の戦績で三段目最下位格付出資格を得ており、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)で初土俵予定。三田は昨年末のアマ選手権で左膝を痛めたため回復を待って、秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)までなら幕下最下位格付出、九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)なら三段目最下位格付出での資格を生かし初土俵を目指す。

 172㌢の三田は、右前みつを取っての一気の寄りが身上だが肩透かしや投げもあるスピード変幻相撲。上背はないが高校時代は1日7食、大学合宿でも1日中ご飯を食べ続け体重を120㌔まで増やし、立ち合いの当たり負けがなくなった。明大出身でもある二子山親方は「初土俵が遅れても焦る必要はない。けがした膝以外をしっかり鍛えれば、土俵人生は長いから後でしっかり返ってくる」と学生相撲の後輩に大きな期待。

二子山親方と握手する三田選

 山崎は177㌢、160㌔の丸い体で右四つから一気の寄りが得意。一昨年秋の全国学生体重別選手権で1年上の日体大・中村泰輝選手(前頭・大の里)にその出足で勝っており、「立ち合いからの一気出る相撲が持ち味。同じ青森出身で近大でも先輩の宝富士関をお手本に、たくさんの人に応援してもらえる力士になりたい」と決意。立浪親方は「ウチで学生相撲の実績のある選手を預かるのは初めて。いずれ部屋の看板を背負ってくれる力士になると期待している」と力を込めた。

立浪親方と握手する山崎選手

 近大は元大関朝潮(元高砂親方)、元横綱旭富士(伊勢ケ浜親方)、元前頭徳勝龍(千田川親方)と、現役で大関経験者の朝乃山と4人の幕内優勝力士を出している名門。2人は「精進して2年以内の関取を目指す」と健闘を誓った。

 (畑山博史)