来春開校「中之島小中一貫校」に迫る 北区・西区の人口増の受け皿に

建設が進む大阪市立中之島小中一貫校

 大阪市北区中之島に来年4月「市立中之島小中一貫校」が開校する。市立の全市募集施設一体型小中一貫校は2012年に東住吉区で「やたなか小中一貫校」が開校して以降、6校目となる。学校説明会では連日、満員で立ち見がでるほど注目されている同校について、大阪市教育委員会首席指導主事、楠井誠二さんに取材した。

市内全域から募集 グローバルな視点育む

 新設の背景には大阪市西区や北区で近年マンション開発が進み小中学校の児童・生徒数が急増したためだ。校庭にこれ以上校舎を建てることが困難な学校もあり、2017年から市が検討を重ね北区の中之島に新たな学校を建てることになった。

 市有地(約6200平方㍍)で建設が進む校舎は7階建て。開校する24年度は1学年2クラスの70人前後、小学1年から中学2年まで約590人が通う見込みだ。

 基本的には全市からの募集となるが、受け入れ可能人数を超えて応募があった場合は、学校別に優先順位をつけた上での抽選となる。

 校舎内には18の普通教室と4つの特別支援教室を設置。図書室やパソコン教室、語学実習室として一体的に運用できる「メディア・キューブ(仮称)」を設ける。2~5階まで続く大階段の横には、交流の場となるコミュニケーションデッキを整備する。

 屋上には可動式の床で水深を調整できるプールと全面人工芝のグラウンドがあり、6階にも屋内グラウンドを設ける。開校後には、近隣に第2グラウンド(約6700平方㍍)も整備する予定だ。

 「グローバルな視点をもつ子どもたちを育てる」という教育目標に、小中の9年間で英語教育に力を入れるほか、対戦型ゲームで競い合う「eスポーツ部」といった部活動も設ける。

2024年4月に開校する中之島小中一貫校のイメージパース。グラウンドは全面人工芝で、校舎の6階にも屋内グラウンドを設ける=大阪市教育委員会提供

■抽選の場合の優先校

新設校の特徴を市教委に聞く<Q&A>

 ─なぜ小中一貫校にしたのか?

 一般的な公立小学校・中学校とのいちばんの違いは「一貫性」だ。小中学校の先生が同じ学校内にいることで、進学する際の子ども達の情報共有がスムーズになる。小学校と中学校をしっかりつなげることで先生や子どもの交流が盛んになる。

 すでにある小中一貫校では、どんなメリットを経験されたか?

 例えば、避難訓練では9年生(中3)が1年生(小1)の手を引いて行っている学校もある。上級生が下級生の面倒を見ることで、自分自身がしっかり大人のように見えてくる。学年の枠を超え、異学年交流を積極的に行うことができる。

 中1ギャップは解消されるのか?

 小学校を卒業して中学校に進学した際、新しい環境や異なる生活スタイルになじめないことがある。そこで中学校の先生が小学校で教科担任として授業を行い、子ども達とのコミュニケーションを図っている。そうすることで進学もスムーズに行える。友達関係も変わることなく、環境の変化がないので学校生活にも影響が出にくい。

 発達段階に応じたPBL(課題解決型学習)とグローバル化を見据えた英語の授業とは?

 市内に拠点を置く企業などと連携し、子ども達が自ら問題を見つけ、さらにその問題を自ら解決する能力を身に着ける学習法を取り入れる。また、市外国語指導員(C-NET)が常駐し、ネーティブの英語にふれる機会を増やすほか、中学校の英語教員が小学高学年の外国語の授業を担当するなど手厚い英語教育を行う予定だ。

中之島小中一貫校の学校説明会=9月27日、大阪市立扇町小