実は子どもの放課後は年1600時間もあった! この貴重な時間をどう過ごす?

子どもの放課後の過ごし方を考える

子育て世帯急増 北区や西区は「いきいき」が満員

 少子化が進む中でも大阪は都心への人口集中が進んでいる。大阪市内の小学校区、中でも北区(扇町・堀川)と西区(堀江・日吉・西船場・本田)の各校区では児童の増加が見込まれている。例えば、北区の堀川小の校区では2017年に1197人だった児童数はその後増加し、27年には1782人とピークを迎える。

 また、西区のマンモス校「堀江小」は現状の校舎では入りきらず分校を西高跡地に建設している。

 一方、共働き世帯も多いことから小学生のいる家庭では、放課後の「預かりニーズ」が増加している。校内に併設される公共学童サービス「いきいき」も、北区や西区では教室に子どもがいっぱいの状況が続いている。

 ある民間学童のスタッフは「小学生なんてまだ先なのに、0歳の時点で予約をする方もいらっしゃいます」と説明する。

放課後と長期休みで年1600時間にも 貴重な時間をどう過ごす?

 放課後の時間を重要な教育機会ととらえる保護者も多い。小学低学年の場合、学校で過ごす時間は年間で約1200時間。一方で放課後と長期休みに過ごす時間は約1600時間にも上る。この時間をどう有効活用するかによって、子どもの個性や才能には大きく影響しそうだ。「出遅れないように」と、中学受験の準備も前倒し傾向が加速。世帯当たりの教育費の平均も上がってきていることから、教育への熱が全体的に高まっているのがわかる。

 教育費が上がるということは、それだけ習い事の数も増えているということ。そうなると、送迎やスケジュール管理など、通わせる親の負担も必然的に増える。



 こうした中で増えてきたのは多機能の学童施設。預かり中に、英会話やそろばん、ダンスなど本格的な〝習い事〟を行うというものだ。加えて、保護者の負担を減らしたいと、遅い時間までの開校、送迎や宿題指導、夕食サービスのある施設も見かける。

放課後を英語漬けでネーティブ並みの習得を [ ハウマイツ・スクール ]

ハウマイツ・スクール

大阪市天王寺区生玉寺町3─3 ほか複数校

 子どもが幼いうちにネーティブ並みの英語力を習得することに特化した英語学童施設。日本の学校に通いながら真の英会話力を身に付けるには長時間を英語オンリーの環境で過ごす必要があると、週に3回以上通うことを必須としている。プラスでデザイン思考教育に基づいた、アートやプログラミング、アイディエーション(課題と解決方法の発想プロセスのこと)も行う。

運動、勉強、キッチン、やりたいことに集中[ えがおの芽学び舎・どうしん ]

えがおの芽学び舎・どうしん1
えがおの芽学び舎・どうしん2

大阪市北区同心1─6─27

 遊びや普段の生活習慣を通して子どもの「したい」を伸ばし非認知能力を育てる学童施設。学校へのお迎えは指導員が行い、来所後は手洗い、おやつ、宿題と習熟度別の学習を行った後は自由時間。運動や勉強、キッチンなどそれぞれ部屋が分かれており、やりたいことに集中できる環境なのも特徴。オプションで専門の先生による英語、体操、書道なども同じ施設内で習える。

プログラミングや先取り学習[ 育脳寺子屋 天六教室 ]

育脳寺子屋 天六教室1
育脳寺子屋 天六教室2

大阪市北区本庄東1─25─8

 非認知能力を育てる育脳教室や、デジタルそろばん、プログラミング、先取り学習に重きを置いた個別学習塾など、一つの教室であらゆるカリキュラムを受講できる教室。遅くまで開校しているほか、入退室サービスにより保護者の「習い事の待ち時間」を減らす仕組みも。

早めの情報収集と準備が必要

 このほかにも多様・多機能な教室が次々と登場している。最近の教育の傾向をふまえて、新たに義務教育課程になったプログラミングや、教育課程にはない非認知能力を育てる内容のものも増えている印象だ。

 とはいえ、何を優先しどの段階で取り組むかは、保護者の教育方針と子ども本人の希望や特性によって慎重に判断する必要がある。「知らぬ間にタイミングを失っていた」ということがないよう、広く情報収集することが準備の一歩だろう。