「大阪にバイクの聖地を」太子町(南河内郡)にバイク神社

続々と集まるライダーたち

 大阪府南河内郡太子町にある「バイク神社」は、神社の境内を模したバイク好きなら24時間、年中無休で使える広場だ。週末にはZ400FXやGPZ900Rなど車種限定イベントや、女子ライダー限定ミーティングなど、キッチンカーも登場して賑わっている。
 同所は広告代理店「宣伝館」を営む岡田哲也代表(54歳)の手造り。「神殿」と呼ばれる休憩所(土日のみ開放)は、カスタムしたレトロバイクやケンシロウ、キン肉マンなどの巨大フィギュア、テーブルや畳のスペースには懐かしい漫画やゲーム機があり、昭和世代にはたまらない空間となっている。

 コロナ禍に経営者仲間から誘われた感染予防グッズの無償配布を手伝ったことがきっかけで、社会貢献の必要性を感じ、自身が「お世話になった二輪業界に恩返しがしたい」とバイク神社のアイデアが浮かんだ。続けて、岡田代表は、「バイクは騒音などを迷惑に思う人もいて、集れる場所があまりない。誰にも迷惑をかけず、自由に情報交換や仲間作りができる場所を作りたかった」と振り返る。
 今ではホンダやカワサキなどバイクメーカーからの協賛もあり、イベントを開催するとSNSなどで拡散され、ライダーらの待ち合わせや休憩場所として賑わうようになった。岡田さん自身もレトロなバイクを複数台所有する。最近では〝リターンライダー〟と呼ばれる中高年らも訪れ、幅広い世代がバイク談義に花を咲かせているという。

 同所では、イベント開催やキッチンカーなどの電力は無償で提供する。グッズ販売の収益は、交通遺児育英会や地元の太子町に寄付している。今後は車中泊スペースやドッグラン、レストランのほか、来年1月には隣接する「太子温泉」がリニューアルオープンし、神殿の平日開放を予定している。

 岡田代表は「子どもの頃に遊んだ近所の神社のように、行けば友人がいたり、祭りや催し物をやっていたりとワクワクする場所の象徴であり、安全も祈願できる施設として『神社』と名付けた。バイク好きな人の憩(いこ)いの場になれば」と抱負を語っている。

バイク好きで盛り上がるイベント
ライダーたちが気軽に休憩できる
レトログッズ満載の神殿内

■バイク神社(宣伝館)/大阪府南河内郡太子町山田1131/電話0800(100)3333