架空の「フジハラビル殺人事件」を題材とした絵画展 大正レトロビルが地元のアート発信基地に

小動物のオブジェや船のモチーフの置物があちこちに

リノベの先駆けフジハラビル築100年

 日本一長い商店街の入口、天神橋1丁目のフジハラビルは、1923年に建てられた地下1階地上4階建て、茶色いスクラッチタイル貼りの大正レトロな建築物だ。地下1階はギャラリーで、絵画や写真の展示、演劇、落語会などが催されている。

 ことし築100周年を迎え、10月8日から記念イベントが続々と開催される。第1回目は、架空の「フジハラビル殺人事件」を題材とした絵画展。地下1階ギャラリーで14日まで催される。見る人を絵物語の世界により一層引き込む、音や光のトリックが仕掛けられている。観覧無料。

 オーナーの藤原英祐氏は「築100年のビルを舞台に繰り広げられるニューヨーク警察の女性刑事と犯人の攻防をお楽しみください。年明けからは演劇や絵画の展示会がめじろ押しです。期間中はわたくしも在廊します(ギャラリーに居る)のでお尋ねくださればビルのヒストリーをご披露いたしましょう」と、ユーモアを交えつつ語る。

 先代から受け継いだビルを現オーナーである藤原氏が一人で修復、改装しているギャラリービル。窓に毎夜映し出される幻想的な影絵も、最新のプロジェクターを使って新しく意匠を凝らす予定だ。

大正ロマン漂う中にも手作りの温かみを感じる
童話の中に迷い込んだような幻想的な影絵
フジハラビル殺人事件はここから始まる!?
観る人を楽しませるサービス精神たっぷりの藤原氏

■フジハラビル/大阪市北区天神橋1丁目10-4