子どもに「生きる力をつける教育」企業の力で日本を元気に

社会貢献コミュニティー「ミラたま」

 日本は長らく、集団生活に主軸を置き平等を重んじた教育スタイルだ。それらは協調性が育ち基礎学力が身に付きやすい一方で、賛否あるが「徒競走で順位をつけない」など、個性を伸ばすのが難しいでのはないか、と違和感を持つ人も少なくない。

「今の教育のままだと日本を引っ張るような人材が育ちにくい」と課題感を持ち、「企業の力で日本の未来を変えたい」と動くオトナたちがいる。社会貢献コミュニティー「ミラたま」だ。

 同団体は、経済的理由で教育機会が損なわれる子どもに対して、無償のオンライン授業などで教育機会を提供している。社会で生き抜く力が身に付くようにと、オンライン授業の内容は「マネーリテラシー」など学校の教科にはない内容を扱う。さらに、これから社会に羽ばたいていく学生に向けても就職相談などのイベントを行っている。また、経営者同士ではセミナーなどを通じて社会課題を共有し、企業的責任を共に考え実行する機会を持つ。3者へのアプローチを通じて、優秀な人材が育ち、また社会に還元していく循環が作られることを狙いとしている。

 7月2日には子ども向け職業体験イベントの第1弾として「フラワーショップ体験」を開催した。植木鉢を作り、それを商店街で一般販売するところまで体験。仕事の仕組みや大変さを身を持って体験できるプログラムとなった。

 代表理事の田村誠氏は「私たちは経営者として、資産を次世代のために使うことで日本に貢献することが責務だと感じています。『人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける』と意味する老子の言葉があります。釣り方を知る子どもを増やすことで日本を元気にしていきたいです」と語る。

【取材協力】一般社団法人ミライのたまご支援機構/大阪市中央区南船場3-7-27 NLC心斎橋 7F/電話06(7222)3572