地域の花火、民間の力で引き継ぐ 大阪・浜寺公園で「高石超花火」 西日本最大級の2万5000発

 警備費や花火の原材料費が膨らみ、行政主導での継続が難しくなった地域の花火を、民間の力で次につなぐ。大阪府高石市で親しまれてきた「高石シーサイドフェスティバル」の花火を継承する「高石超花火」が10月24日、浜寺公園で初開催される。企業の協賛や有料観覧席を運営の柱に据え、2万5000発を打ち上げる。地域の風物詩を守りながら、継続できる仕組みづくりに挑む。

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 2013年に始まった「高石シーサイドフェスティバル」。来場者が増える一方、花火実施時の安全確保や警備体制が課題となっていた。今年はステージイベントなどを中心に最終回を開き、花火は民間に引き継ぐ。

 新たな担い手は、リンクス(大阪市中央区)やWonder Group(同市北区)などから成る実行委員会。総合プロデューサーを務めるWonder Groupの堀感治社長は22年に大阪・夢洲で開いた日本最大級の4万5000発の「夢洲超花火」でも総合プロデューサーとして大会を成功に導いた。

 堀さんは「花火の費用は年々、上昇している。従来の高石の花火は、有料席以外から観覧する人も多く、広い公園や周辺に集まる人の安全を守るには、市の職員を中心とした体制では対応しきれなくなった」と話す。観覧者の増加に伴って警備費も膨らみ、チケット収入や市の予算では賄いきれなくなったことが、開催を続ける上で大きな壁となった。そこで市側が声を掛けたのが、夢洲で大規模な花火大会を手掛けた堀さんらだった。

 市側から民間での開催を相談され、検討を始めたものの、採算への不安は大きかった。周辺から花火が見える場所で、有料席を買ってもらえるのか。「売れなければ5000万円ほどの赤字になるのでは」という想定もあった。それでも「花火がなくなるのは寂しい。自分たちで何とかできるなら」と開催を決めた。

 民間が引き継ぐ上で課題となったのが、運営費の確保だ。そこで、観覧スタイルに合わせたさまざまな有料席を打ち出した。特徴的なのは車やマイクロバスで乗り入れ、家族や仲間と観覧できる貸し切り区画だ。堀さんらの人脈を通じて協力を呼び掛け、協賛金を花火や警備の費用に充てる。行政からの資金援助は受けず、市からは従来の警備方法や近隣への説明などで助言を得ているという。 

 車で来場できる仕組みには、人混みのために花火大会を諦めていた人にも楽しんでもらいたいという思いがある。足の不自由な高齢者や乳幼児連れの家族も、車のそばで過ごせる。一部区画(料金27万5000円〜49万円)ではバーベキューの機材や食材も用意し、準備や片付けの負担を軽くする。 

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 他にはパイプ椅子に座って観覧できる「スタンダード席」(予定枚数終了)、隣との間隔を取ったペア席(予定枚数終了)や、打ち上げ花火を間近に鑑賞できる「最前方リバーサイドエリア」(1万円〜)、飲食物を持ち込んでくつろげるグループ用区画(予定枚数終了)などを設ける。誰とどのように過ごすかも選べる観覧体験にすることで、有料席の価値を高める狙いだ。

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 花火は午後6時9分から46分間、浜寺公園に面する浜寺水路の海上から打ち上げる。花火の打ち上げ数は、一般的な花火大会と比べて約8倍で西日本最多。担当するのは、大阪・関西万博の花火ショーでも製造や打ち上げを担った「葛城煙火」(大阪市西成区)。日中は大道芸人のパフォーマンスやキッチンカーの出店もあり、昼から楽しめる会場にする。

日中はキッチンカーや大道芸などもを披露される

 一方、規模が大きくなるほど安全確保の責任も増す。堀さんが懸念するのは、チケットを持たない観覧客が周辺に集中することだ。警備の安全が確保ができないため、観覧できるのは有料席のみとした。来場者には南海本線羽衣駅の利用を呼び掛ける。

会場全体のMAP

 大雨や強風の場合の中止への備えも進める。堀さんは「興行中止保険を設定しているので荒天などで打ち上げ開始前に中止した場合は、チケット代金は全額払い戻すので安心してほしい」と話した。

 将来は地域の協力を得ながら規模を広げ、32年に4万5000発を目指す。堀さんは「日本一の花火を南大阪の空に。地域の皆さんと共に育てていきたい」と意気込んだ。

(竹居真樹)

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