【大阪の女性起業家特集】今日も今日とてフォカッチャ 松倉美雅さん

長年、不動産業界で働いてきたが、まったく異業種のフォカッチャ専門店で起業を決めたのが松倉美雅さんだ。いったいなぜ?と思うかもしれない。背景には、50歳という節目と、子どもたちの巣立ちがあった。シングルマザーとして「生活のために働く」日々を送ってきたが、ようやく自分の人生を見つめ直す余裕が生まれた時、心に浮かんだのはかねてから興味のあった飲食業だった。一方で「儲からない」というイメージが拭えず、踏み切れずにいたという。
転機となったのは、新千歳空港で大人気を集めていた「コーンパン」との出会いだ。ユニークな見た目とおいしさに衝撃を受け、すぐにパン教室へ通い始めた。そこで出会ったフォカッチャの味に魅了され、「まだ専門店が少ない」という気づきも重なり、一気に道が開けた。とはいえ、これまでパンを焼いた経験はゼロ。まったく未知の世界へ飛び込んだのだから大英断だ。
だが、最初から大きな壁が立ちふさがった。「融資が全く下りないのです。今思えばあまりにも無謀な計画書でした」と苦笑する。改めてセミナーへ通い、努力や実績を〝見える形〟にする重要性を学び直した。その後はシェアキッチンでの営業を通して力を蓄え、最終的には売り切れが出るほどの手応えを得たという。
屋号の「今日も今日とてフォカッチャ」には、「毎日でも食べてほしい」という願いを込めた。看板商品は、北海道産枝豆をたっぷり詰めた「こぼれ枝豆フォカッチャ」。さらに、元パン職人がヒット確実と太鼓判を押す 〝フォカッチャ生地の塩パン〟も名物に加わる。
フォカッチャは奥が深く、発酵の温度や気泡一つができを左右するという。試行錯誤を重ね、納得できる味にたどり着いたが、今も改良を加えながら日々進化を重ねる。材料は、きび砂糖など天然素材が基本で、防腐剤などは一切無使用。自然な味わいも特徴だ。
この春には、弁天町でオープン予定。「地元の人はもちろん、SNSで興味を持った人が遠方から訪れてくれるような店にしたい」と、夢を力強く語ってくれた。
詳しくはインスタグラム(https://www.instagram.com/as_always_focaccia/)へ。
