3.6兆円の万博成果で加速する大阪の変革 ビヨンド戦略で新駅や先端技術を実装

 政府の成果検証委員会は昨年末、2025年大阪・関西万博の経済波及効果が、当初想定を大幅に上回る約3兆6000億円に上ったとの試算を公表した。公式グッズの販売好調や来場者増により、運営収支も約370億円の黒字となる見通しだ。吉村洋文知事は昨年12月26日の会見で、約10年の準備期間を経て共有された「未来社会」の価値を遺産(レガシー)として次世代へ引き継ぐため、これらの運営黒字を大阪の再成長に投じる方針を明確に示した。

 年明け1月5日の年頭会見では、その具体的な実行策としてインフラ整備のさらなる加速と、新産業育成の指針が示された。昨年春に開業した「グラングリーン大阪」南街区に加え、2027年春に控えるうめきた公園の全面完成に向けて整備を継続。さらに、大阪城東部地区(森ノ宮)では、昨年秋に開設された大阪公立大学新キャンパスに続く柱として、大阪メトロ中央線の新駅設置に向けた事業着手を明言した。

 また、万博で注目を集めた「空飛ぶクルマ」などの先端技術を日常に浸透させるため、社会実装の司令塔となる新たな組織体も年内に立ち上げる構えだ。「6カ月のイベントで終わらせない」。吉村知事はそう述べ、府市独自の「ビヨンド万博」戦略のもと、万博が生んだ巨額の成果を具体的な府民生活の利便性へと還元していく考えを強調した。2026年、大阪の街は万博の記憶を糧に、「副首都」実現を見据えた新たな変革の局面を迎えることとなる。

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