大阪から電車で約1時間半、車で2時間半の福井県若狭エリア。若狭湾の青く透明な海や五つの湖、川など多彩な自然景観が広がり、秋の紅葉や冬の雪景色も楽しめる地域だ。11月には大阪で、若狭の観光プロモーション「青青吉日(あおあおきちじつ)」のPRイベントが開かれ、地域の魅力を伝える取り組みが紹介された。
イベントでは、日本の塗箸の8割以上の生産量を占める「若狭塗箸」や「薬膳茶」、廃材や端材など材料にする「アップサイクルアクセサリー」などを製作する体験プログラムが用意され、参加者は同地域の文化や手仕事にふれた。若狭を訪れた人が参加できる写真投稿キャンペーンも実施。SNSを活用した発信にも力を入れている。
同地域では、湖上を進む電動遊覧船や126㌔のサイクリングルートなど、自然を間近に感じられる体験型アクティビティがそろう。11月から翌年6月まではイチゴ狩りが楽しめるほか、夜には透明なカヤックにLED装飾を施したナイトカヤック体験も行われ、水面に映る光が幻想的な景観を生み出す。
食の魅力も豊富で、福井県認定の若狭フグや猪肉のボタン鍋、若狭牛など冬ならではの味覚が並ぶ。高浜町内の宿泊施設では、フグ料理を5000円以上利用するか宿泊すると2000円の割引が受けられるキャンペーンを実施している。地域に関連した特産品と交換できるスタンプラリーも展開し、観光と食文化を同時に楽しめる仕組みを整える。
若狭のPR担当者は「海や山、湖といった自然の美しさに加え、冬の味覚や体験型アクティビティを通じて若狭を多角的に楽しんでほしい」と話す。秋から冬にかけて、若狭エリアは自然、食、文化を一度に味わえる地域として訪問客を迎えている。

