万博最終盤のイタリア館で展示している国宝級展示物が、10月25日から大阪市立美術館(JR天王寺駅すぐ)の特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」として公開される。

人気を呼んだ同館の展示物の中で①「ファルネーゼのアトラス」(2世紀)②ピエトロ・ヴァンヌッチ「正義の旗」(1496年)③レオナルド・ダ・ヴィンチ『アトランティコ手稿』「水を汲み上げ、ネジを切る装置」④レオナルド・ダ・ヴィンチ『アトランティコ手稿』「巻き上げ機と油圧ポンプ」の4点。

マリオ・ヴァッターニ・イタリア館代表は「会期中私たちのイタリア館に多くの来場者が興味を持って頂きありがとうございました。私たちは〝お待ち頂いてもぜひご覧頂きたい〟との思いから、結果として長い待ち時間がしばしば発生し心苦しい気持ちでした。ダヴィンチをはじめ、我が国が生んだ芸術家は偉大な科学者でもあります。文化と創造は相通じるのです。大阪市の協力で実現したこの特別展で、万博でご覧になれなかった方はもちろん、入館された皆さんももう一度触れてみて下さい」とあいさつした。

大阪市の横山英幸市長は「大阪市とイタリアミラノ市は姉妹都市提携45周年を迎えました。万博前から話題となった芸術作品を引き続き大阪市で展示できることは喜ばしい」と感謝した。
特別展で展示されないミケランジェロ「キリストの復活」(1514〜16年)などについてイタリア館では「すでに次の展示が決まっている物もあるので」と説明。

万博の成果についてジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使は「万博でイタリアの持つ作品のすばらしい展示ができたことを感謝。会期中、わが国の先端技術を含めて日本を含むすばらしいビジネスパートナーシップが実現した」と評価した。
(畑山博史)