Al Ahli Holding Group(アラ・アハリ・ホールディング・グループ 本社:アラブ首長国連邦ドバイ)は10 月12日、大阪・関西万博 UAE パビリオンにて「Japan Cultural Center(和名:日本文化センター、以下「JCC」)」を UAE に開設することを発表した。

同センターは、日本文化の継承と発展を目的とした拠点となるもので、アーティストが暮らすレジデンスと、美術館や茶室などのアートや文化を観賞・体験できる機能を併せ持つ施設。日本文化の継承者たちが指導・実演・創作を行う実践型モデルを採用し、茶道、工芸など伝統芸術から、アニメ、マンガなどまで幅広く展開する、世界最大規模の日本文化の拠点となる計画。
さらに日本の伝統工芸品の新たなマーケット開拓にも挑戦する予定で、市場縮小や後継者不足に悩む職人や技術を未来に繋ぐための試みも計画されている。
UAEパビリオンで開催された発表イベントには、設計を担当する隈研吾氏と、建築家であり70年万博の基本設計を手掛けた丹下健三を父に持つ丹下憲孝氏、森美術館特別顧問でありキュレーションを担当する南條史生氏が登壇し、施設にかける思いを語った。

南條氏「単なる美術館じゃない、分類する言葉が無いような、体験型の文化施設にしたい。職人やアーティストを眺めるのではなく、来場客が中に入り込んで体験し五感で没入できるような場所。常設展は日本の伝統的なもの、企画展は日本の四季により変化を持たせるなどを考えている。数年かけて丁寧に日本の全体像が掴めるような展示にしたい」
丹下氏「非常に挑戦的な試みだが、世界を一つに繋ぐもの。言語や文化が違っても、音楽やアートでは喜びを共有することができる。異なる背景を持つアーティストがJCCに集い、積極的に文化交流を行うことで対話が生まれ、新たなアートが誕生するのでは。未来を見据えたプロジェクトに参加できるのが嬉しい。エネルギーに満ちた、クリエイティブな場所にしたい」
隈研吾氏「多様性を世界の人々が愛し始めている時期。UAEは砂漠と気温、日本は台風や災害が多い。環境の制限は、場所に対する愛を示せるチャンスでもある。JCCのデザインは巨大な村。外側からは小さな建物が重なっているが、中に入ると路地があり、新たな体験に導いてくれるような仕組み。レンタルスペースではなく、コンテンツが詰まった、未来の世界を示すような世界唯一の場所にしたい」

隈研吾建築都市設計事務所が設計する同センターは、総面積5万平方メートルを超える規模で建設される予定。