学校現場の課題討論 教育基本条例施行10年 シンポで実情共有

討論するパネリストら
討論するパネリストら

 大阪府の教育基本条例が2012年の施行から10年を迎え、条例に盛り込まれた「学校の統廃合」「教員評価の見直し」「学力向上」といったテーマの検証を目指すシンポジウム「教職員×議員 学校の現実を本音で語る会」が大阪市天王寺区の府教育会館であった。「教育力を維持するために学校の再編整備は必要だ」「学校現場には点数で表せないものがある」などと意見が交わされ、相互に理解を深めた。

 NPO法人スクール・ボイス・プロジェクトと、大阪大人間科学研究科佐藤功教授研究室が主催。「議員と学校の実情を共有したい」と意見交換会を企画し、今年で5回目になる。

 催しは1月29日にあり、パネル討論には議員と現役・OB教員の計4人が登壇。約40人が見守る中、当時の条例案策定に関わった紀田馨府議は、急速に進展する少子化を背景に「対応しないと教員が持たない」と指摘。当時の再編整備は「教育委員会の対策が後手に回っている印象があり、一定(3年)の指標をつくってはどうかと。政治というか、民意を反映できる延長上だった」と提案意図を説明した。

 他の登壇者からは、統廃合で選択肢を狭めることを問う声があり、紀田氏は「(地理的に)通える学校が複数ある前提は維持している。経済的給付も併せて整備してきた。ただ、再編対象が学力に左右される傾向があり、どこかで歯止めをかけないと」とも言及した。

 さらに参加者によるグループトークもあり、「部活動」「特別支援」「校則」などをテーマに議論を深めた。