英語でボケてツッコむ!吉本「コメディナイト」大阪らしさ満載の新公演

 吉本興業が『よしもと道頓堀シアター』(大阪道頓堀・中座くいだおれビル6階)で今春から主に毎週金曜夜に行っているインバウンド客向け公演「コメディナイト」を8月から大幅リニューアル。これまでのノンバーバル(無言語)なパフォーマンス大道芸に加え、英語だけで掛け合う上方漫才と吉本新喜劇を加えた構成で、過去最多を更新し続ける大阪を訪れる外国人客に「もっと大阪のナイトライフを楽しんでもらおう」と張り切っている。

外国人客に人気の忍者と侍のチャンバラショーは健在

 これまでの「コメディナイト」は、お決まりの忍者や侍のチャンバラ、相撲ショーに加え説明を必要としない大道芸を中心とした出し物だった。しかし「もっと大阪らしさ、吉本らしさを出そう」との方針から、初めて行われた新喜劇では奈良教育大在学中にカナダ留学経験があるのぶよし(49)が脚本と演出を担当。米国出身のジャボリ(51)と世界漫遊の際にニュージーランドで羊飼いを経験している小西武蔵(44)も出演。新喜劇お得意のズッコケや聞き違いによるトボケたやり取りを忠実に再現。客席の外国人客を舞台に連れ込み一緒に演じさせるパフォーマンスに観客は大喜び。

英語漫才を繰り広げるスーパーマラドーナ

 漫才では「スーパーマラドーナ」が自身のネタを完全英訳し時々カンニングしながらもいつものテンポで演じ切った。新喜劇には彼ら以外にもカナダ出身のマドンナ役・曽麻綾(27)がバイリンガルで、普段は英語と縁が薄い他座員にもコーチできる顔ぶれが揃っているのが強み。

英語新喜劇をリードするのぶよし(左から2人目)とジャボリ(右端)。手前右は小西

 東京吉本では米国本土で活動中の渡辺直美(37)、ゆりやんレトリィバァ(34)や、英国のテレビコメディーショーで大ウケしたとにかく明るい安村(43)、大阪には31カ国109都市で英語落語を演じた大阪樟蔭女子大客員教授の桂かい枝(56)がおり英語でのショー開催へ人材には事欠かない。

新たな「コメディナイト」チラシを背にするのぶよし(左)とジャボリ

 リニューアル初回公演を終えたのぶよしとジャボリは観客見送りを終え取材に応じた。「英語だけの公演、と言っても半分は日本の方。分かりやすい英語で外国の方も皆一緒に笑ってもらえないと意味が無い。出演者の中には普段英語を遣わない座員も多いので、そこは僕らや武蔵君が英語でのせりふ言い回しをアドバイスしながらしっかり物語を仕上げて行きたい。慣れてくれば英語でのアドリブも皆自然に出てくるはず。将来は小中学校で英語を学んでいる日本の子ども達にも見てもらいたい」と手応えを感じている。

 公演はテーブル席などでアルコール類を含めた飲食を楽しみながら観劇できるレストランシアター形式。入場料は1ドリンク付き3千円。

(畑山 博史)