『あんたはえらい!』の精神で大阪の元気をたたえる「なにわ大賞」。1998年に始まり、今年で25回目を迎えた同賞は、7月28日の語呂合わせ「なにわの日」にあわせ、大阪市阿倍野区で審査会と授賞式が開催された。
大阪で奮闘する人・団体・プロジェクト・商品などを市民推薦と選考委員会で選出し、その功績を称えるこの賞。第25回の今回は、書類選考を通過した11組の〝いちびりさん〟がプレゼンテーションを行い、白熱の審査が行われた。

最優秀賞である「なにわ大賞」に輝いたのは、大阪市東淀川区にあるクラフトビール醸造所「上方ビール」。かつて銭湯として親しまれた「御幸温泉」の跡地をリノベーションし、風呂釜をタンクに改装した〝銭湯ブルワリー〟として話題を呼んでいる。季節ごとに多様なクラフトビールを醸造し、地元客や観光客から人気を集める地域密着の取り組みに、審査員からは「発想がユニークで、大阪らしさがある」「地域活性の象徴」との声が上がった。

準大賞には、「東大阪国際フェスティバル実行委員会」が選ばれた。町工場のまち・東大阪で、外国人と地域住民との交流を目的にフェスティバルを開催してきた同委員会。30年にわたる継続的な取り組みが評価され、準大賞に選ばれた。

同じく準大賞には、「一般社団法人チャーミングケア」が選ばれ、同団体の広報を務める高校2年生の石嶋壮真さんがプレゼンテーションを行なった。同団体は病気や障害を経験した子どもと家族を支える活動を行っており、自身の小児がん経験をもとに、母親とともに立ち上げた取り組みを堂々と発表し、審査員から「高校生とは思えないプレゼン力」「説得力と当事者性に心を打たれた」と評価された。

SNSでも「どの団体も素晴らしくて、全員に大賞をあげたい」「若い世代のプレゼンに感動」「大阪がもっと元気になってほしい」といった声が寄せられ、大阪らしい熱気と人情にあふれた審査会となった。

当日は大阪観光局の溝畑宏理事長も駆けつけ、「大阪の多様な魅力が凝縮された素晴らしいイベント」と祝辞を贈った。
授賞式後は参加者全員での乾杯や記念撮影も行われ、第25回を祝うにふさわしい、笑顔と祝福に満ちた一日となった。