非公開お宝を3Dで再現、篠原ともえの「水瓶ドレス」など 「正倉院THE SHOW」開催

 千年以上の歴史を誇る正倉院とその宝物が「体感」できる特別展「正倉院 THE SHOW-感じる。いま、ここにある奇跡-」が、6月14日から8月24日まで大阪歴史博物館(大阪市中央区)で開催されている。

 正倉院の宝物の多くは普段一般公開されておらず、高精細3Dスキャンなどの最新技術を駆使して映像や再現模倣にすることで、宝物の細部まで鑑賞できる。ただ展示するだけでなく音楽や照明を組み合わることで、同院の世界観に没入できる。

大型スクリーンを背景に、宝物の再現模倣を鑑賞
「瑠璃坏」レプリカ

 また、織田信長が熱望した香木「蘭奢待(らんじゃたい)」の香りも現代に再現。その香りを実際に会場でかぐことができる。

「蘭奢待(らんじゃたい)」レプリカ
蓋の内側を鼻に当てて、蘭奢待(らんじゃたい)の香りを楽しむ

 さらに今回、4人の現代アーティストとコラボし、それぞれが正倉院からインスピレーションを受けて手がけた新作を披露している。
 17日にはコラボアーティストの一人である篠原ともえさんが、報道関係者向けに展示品の解説を行った。展示品はペルシア風の水瓶「漆胡瓶」をモチーフにしたドレス。動植物や昆虫などの繊細な文様を400個一つ一つ手作業でトレースし、真鍮を用いたパーツにした。篠原さんは作品を眺めながら、「制作期間中、当時の職人と会話しているような瞬間が何度もありました」と語った。

篠原ともえさんと、篠原さんが手がけた作品

■大阪歴史博物館/大阪市中央区大手前4丁目1-32/電話06(4301)7285